Studio_Rosso1/43自動車模型製作日記2

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明日は法事の為臨時休業いたします

2023-11-18 19:11:39 | 修理

本日の山陰は全体的に寒い1日になりました。
昨夜はまだそんなに寒いとは思いませんでしたが雷が酷くてなかなか寝られませんでしたよ。
今朝起きたら雨が降っていまして・・・出勤時にはミゾレになりました。

島根県西部では大雪注意報が出ているみたいですが・・・島根県の場合西部はどちらかと言いますと南側になりまして私の住んでいる東部の方が雪が多い印象がありますが今回は気流の問題で西側に降るんでしょうね。

一時的には結構強く雪が降りまして・・・
中庭の羊や山羊の置物を避難させてから寒々と見えてしまうアルミ製のテーブルとチェアをガレージにしまい込みました。
まだ上空の気温が比較的高いのか雪に含まれる水分が多くて雪の落ちてくるスピードは早いですね。

お昼は既にご予約をいただいていましたので天気が良く無いわりには忙しかったですね。
中には薪ストーブが珍しかったらしくず〜っと暖をとっている方もありました。
確かに今や家の中で火が燃えている事など火事でないと無い訳でして(笑)
私が子供の時だとお風呂は薪で焚きましたし・・・子供が火の番をしていましたからね〜。
家内の実家にも掘り炬燵(こたつ)がありまして練炭や炭で温めていました。

でも午後からは嘘のように良い天気になりました。(同じ日の同じ場所には全く見えませんね〜)
先日広島に行ったのですが当日がこんな天気でなくてよかったですね。

さて今日も修理をします・・・だいぶ終わりましたがまだまだあります。
早くP4始めたいんですけどね(笑)

今日最初の患者さんは・・・
スープラです。
この車は流行りましたよね〜。
日本ではセリカXXという名前で売っていました、違いはスープラにはオーバーフェンダーが付いていたんですよね。
従兄弟が乗っていまして・・・欲しかったのですが私はトヨタオート(現ネッツトヨタ)のセールスだったのでカローラ店の取り扱いのこの車は買えなかったという痛い思い出があります。
買うなら2.8Lのツインカムで5速MTですね(笑)

余談が長くなってしまいました(汗!)
リアハッチの中央にPの文字の部分に何やら出っ張りがありまして・・・お客様によればこの出っ張りはキーホールだそうなんですね。
で・・・出っ張りでボディカラーしかないのでキーホールのデカールを作って欲しいという事だったのです。
キーホールの上にSUPRAのデカールが貼られていてしかもクリアーコート無しという事でしたのでその上にChromeのデカールを貼るのは結構難しいのです、と言うのもデカールの軟化剤が使えないんですね。
最初から貼られているSUPRAのデカールまで溶かしてしまう恐れがあるのです。
デカールだけなら作って送って差し上げれば終わりの話なのですが、万が一失敗されるとまた修理として戻ってくる(!?)
ので先にミニカーを送って頂き加工することにしました。
軟化剤でデカールを溶かしてしまうのはお客様ばかりに限ったわけではありません私がやっても溶ける時には溶けますから、でも私なら溶けない方法で作ることもできます。

まず洋白線を旋盤で削ってリングを作りました。

小さいので良くみて下さいね〜!!

次にリングの中に入る寸法で洋白を削って中央に糸鋸でスリットを入れます。
中心に入れるのが難しくて3回やり直し・・・4回目で成功しました。

そして先程作ったリングをはめてボディに接着します・・・が洋白のような厚みのある部品をボディに埋め込むにはボディを少し掘り込んで凹みを作っておく必要があります。
そうしないと出っ張りすぎになってしまうのです。
しかも元々ボディに出っ張りがあると書いていましたでしょ?
その出っ張りを目立たないように削ってなおかつ少し凹みを作るのはなかなか難しい・・・しかもデカールにはクリアーコートしてないのでデカールが欠けたらアウトになってしまうと言う責任重大な場面です(笑)
出来ですか?下の写真をご覧いただくとお客様も安心されるんじゃないかな??

続いて・・・
1/43のホンダNSX-Rです・・・こちらも私の大好物・・・ついつい力が入ってしまう!?(笑)

普通ならメイクアップのウインドウでも外れたの?って思われるかもしれませんがこちらはメイクアップ製ではありません。
まあメイクアップ製ならこんな事にはならないはずです。

でも、このモデルは初めて見ましたね。
フル開閉です・・・1/43なのに。
修理のご希望は内装の変色です。
なんだかダッシュボードが変な色になっています。

とりあえず分解します。
知らないモデルは分解するのが怖いですが・・・なんとかなりました。

心配をしていた通りダッシュボードは表面が溶けてベトベトです。
ただ変色しただけでは無いみたいです。
この様な場合普通はタイヤの軟化剤が悪影響を与える可能性が高いのですがボディのホイールハウス付近は異常無いのです。
内装の部分には軟化剤を使った部品は何もありません。

この様な場合はクリーニングの方法を先にテストするのです。
まずは影響の少ないエナメルシンナーを綿棒につけて拭き取ってみます。
これで綺麗になる様であればエナメルシンナーの中に浸けて掃除すればいいのですが・・・
エナメルシンナーでは溶けませんでした。
そこで次はクレオスのラッカーシンナーです、これを綿棒につけて拭き取ってみます。
クレオスのシンナーだと綺麗に剥げますね。
と言うことはこの表面で溶けているのはラッカークリアーであることがわかりました。

このダッシュボードですがセンターコンソールの部分は別部品になっていまして外れましたが・・・外した部品が付いていた部分も白く変色しています。
しかもメーター部分はエッチングでそれを外した部分も白く溶けている・・・
この部分はこのクリアー塗料を塗ってから後で取り付けていますので樹脂の軟化剤の影響は受けにくいはずなんです。
と言うことは・・・原因は艶消しのクリアーの劣化にあるのでは無いかと思われます
このダッシュボードですが黒いプラスチックで整形されていましてそのままだとグロス仕上げなので艶消しのクリアーを塗って仕上げてあるのです。

私の対応は・・・
クレオスのシンナーにつけてブラシで洗いますと表面は少しベタつきが残りますがなんとか剥げてくれます。

問題は・・・こちらです。
同様の仕上げが施されているシートやフロアーまで全部ベタベタです(滝汗!

冗談抜きで結構溶けているのです。。。
わかります??人差し指1本で内装が全部持ち上がるのです(笑)
決して指の裏に両面テープを貼っているわけではありません・・・。

結局シートも全部外します、クレオスのシンナーに浸けて表面のベタベタを取ります。
ここで気がついて頂きたいのは・・・
赤い塗料が溶けていない裏のブラックも多少傷はありますが溶けていないことです。
シートの素材はレジンです・・・と言うことはこのレッドとブラックはウレタンカラーで塗られていると言うことですね。
それに艶消しラッカークリアーで仕上げられていると言うことです。

床板もラッカーシンナーで綺麗さっぱり・・・グロス仕上げになってしまいました

そしてこのモデルのもう一つの問題点ですが・・・リアのエンジンフードの部分は透明なプラスチックでできているのですが・・・中央部分が少し変形して凹んでいるのです。
せっかくのモデルなのにこの部分が反射ですごく変形しているのが気になるんです。
お客様に連絡を取った時にも内装よりもこの部分が気になったのが正直な感想ですね。

こんな場合は表面を平らに削り中央部分の凹みが見えないくらい削るのですが・・・中央部分は薄く最悪の場合穴が空いてしまうことがあるのです。しかもこの部分はヒンジが一体整形なのでバキュームや平板で作り直しが効かないんですね。

意を決して削りました、まずは一番荒いペーパーでざっくりです。
他の部分にペーパーが当たるといけませんのでマスキングしておきます。
まだ中央部分には完全にパーパーが当たっていないのがわかりますね、それくらい薄いのです。
薄いと言うことは削る時に負担がなん度もかかりますと疲労して割れてしまうのです。

そして中目のペーパーにチェンジです。
ここでも完全にペーパーが当たっていません(当てないのです)

最後にバフレックスの3000番で磨きます。
そして普通ならコンパウンドですが・・・コンパウンドは使いません。
コンパウンド仕上げの場合上から押さえつける格好になりますからね、プラスチックの部品に負担がかかり必ず割れます。

ここからはラッカークリアーで仕上げます、まずパラ吹きからですね〜、まだパラフキなので表面は凹凸が見えます。
4〜5回くらい重ねて仕上げに持ち込みます。

他の部分ですが艶消しクリアー仕上げをせずフラットブラックを塗ります。
後々に黄変しない様にね・・・
シートだけは仕方がないので艶消しクリアー仕上げの予定で裏側のブラックの部分を先に補修しておきます。
使うのは下の塗装と同じくグロスのブラックです。
艶消しブラックとか使いますと後で補修痕が見えてしまうことがありますから同じグロスを使うのです。

本日はここで時間がなくなってしまいました。
明日はタイトルにもありますが臨時休業をします。

多分本業も無理かと・・・(笑)