「道の駅沼山」を出発する時、
尾瀬には似つかわしくない音がします。
一人の男性の背中にぶら下がっている鈴の音が、大きく耳に響いてきました。
あれでは、鈴ではなく鐘。
野鳥の鳴き声がかき消されてしまいます。
クマどころか野鳥までもがびっくりです。
幸い私たちはその男性を見送ったので、その後出会うことはありませんでしたが、
尾瀬にはツキノワグマが生息していますので、
勿論、尾瀬保護財団では注意を呼びかけています。
でもね、限度がありますし、真昼に大勢のハイカーがいるところには
クマも怖くて出て来れないでしょう。
詳しくは尾瀬保護財団の「ツキノワグマ保護管理活動」をお読み下さい。
ツキノワグマのほか、可愛いオコジョや植物を食い荒らすシカもいます。
「はるかな尾瀬 その⑤」
尾瀬沼に到着した私たちは、シラネアオイをデジカメに収めたり、
おトイレ休憩をした後、再び三平下を目指して歩き出しました。
普通、ツアー客は尾瀬沼から引き返すのですが、
Yさんは、どうしても三平下まで連れて行きたかったようです。
ひうちが岳をバックにして集合写真が撮れるいいスポットがあることと、
実は、東電小屋というんでしょうか、東京電力が運営してるんですけど、
そこの“花マメジェラート”が凄くおいしいのです。
Yさんが私たちに奢ってくれました。
おにぎりとデザートの“花マメジェラート”で午前の疲れがすっかり吹き飛びました。
戻りはほとんど同じコースなので、割愛しましょう。
最後に、尾瀬で出合った花々を掲載して、“まとめ”としたいと思います。
関心のある方は、どうぞクリックしてください。
マイヅルソウ・エンレイソウ・高嶺桜・ニッコウキスゲとワタスゲ・タテヤマリンドウ
ミヤマカタバミ・山荷葉(サンカヨウ)・サンカヨウ(つぼみ)・リュウキンカ・
シナノキンバイ・ショウジョウバカマ・ギョウジャニンニク・ヨブスマソウ
ツバメオモト・トガクシショウマ・水芭蕉
道の駅沼山へたどり着いた瞬間、思わず大きな声で「ばんざい」と叫びたくなりました。
万が一、途中で具合が悪くなってヘリコプターの出動を要請した場合、
驚くなかれ、ナント100万円はかかるそうです。
帰りは桧枝岐で“裁ち蕎麦”を食べ、
途中の道の駅で“南郷トマト”を買い求めて帰宅の途につきました。
<おまけ>4年前の秋の写真。
当時の私にはデジカメの保存の技術がなかったので、お粗末になってます。
尾瀬沼畔のシンボル 三本唐松
沼山峠にて (前列左端が私)
<参考にさせていただいたHP>
写真家 新井幸人さんのHP「尾瀬の四季」
尾瀬沼畔 長蔵小屋のHP
東京電力のHP 野鳥の鳴き声を聞くことが出来ますよ。
はるかな尾瀬 完
【追記】カフェテラスのanikobeさんの2005年3月の記事「尾瀬への旅」もどうぞ読んでくださいね。
ひうちが岳(2346メートル)
尾瀬沼畔のライブ映像で見るひうちが岳
東北で一番、北海道を含めても一番高い山、ひうちが岳です。
「いつもはもっと雪があるんだけど・・・」とIさんが心配してました。
ひうちが岳の雪解け水が多いか少ないか?
そのことが、今年の稲作が豊作になるか否かに大きく関わってくるんですよね。
さて、その④にはいる前に、嬉しいニュースが飛び込んできました。
地元、Y小学校の5,6年生が7月中旬に尾瀬へ行くことになったというのです。
環境教育(学習)の一環として招待されたそうです。
引率の教師を含めて31名。桧枝岐の民宿に宿泊します。
我が家の娘が小学生の頃には、
学校行事として年に一度、宇津峰山の清掃登山をしていました。
宇津峰山は、学校の目の前にそびえる、小さい頃から慣れ親しんでいる山です。
全校生が、袋を持ってゴミや空き缶を拾いながら、
山の中腹の馬場平へ向かうのです。
作業後の馬場平で食べるカレーライスの味、生涯忘れられないと思います。
これも立派な環境学習でしたが、やがて週休二日制となり、
ゆとりの時間も何もなくなって、この行事も廃止に至ったのでしょう。
ですから、今回招待を受けたことは大変ラッキーなことで、
子供たちは2日間で多くのことを学んでくるはずです。
では、その④ですね。
前回は、長蔵小屋までたどり着きました。
ここで、大抵は“おトイレ休憩”ということになりますので、おトイレの話題を・・・。
(ご存知の方も多いんですけれど、ご存じない方のために)
尾瀬でおトイレを使用する予定のある方は、
(ほとんどの方が最低一回は使用されると思いますので、)
100円玉を数枚用意された方がよろしいかと思います。
一回につき100円、大小に関わらず、使用前(または後)にお支払い下さい。
環境保全のためにご協力を・・・ということです。
入口のポストに詳しく書いてありますので、ちゃんと読んでくださいね。
大した知識があるわけでもないのに
「はるかな尾瀬」を書き始めて、早やその④になりました。
仕事の合間に書いておりますので、思うように前へ進めません。
次回は尾瀬で見てきた花を掲載して“まとめ”にしたいと思います。
皆様のブログへは「はるかな尾瀬」が終了次第お邪魔いたしますので、
もうしばらくお待ちくださいませ。
その⑤へ続く・・・・・
<おまけ> 三平下、東電小屋前で休憩するハイカーたち。
「夏の思い出」江間章子(えましょうこ):作詞 中田喜直:作曲
この名曲は、1949年に「戦後の国民に夢と希望を与える歌を」と、
NHKから依頼された江間章子さんによって作詞されたものです。
ラジオから流れるこの歌を共に口ずさむことにより、
「夏の思い出」が戦後の荒廃から尾瀬の大自然へと移行した?のでしょうね。
さて、はるかな尾瀬 その③です。
沼山峠で遥か彼方に尾瀬沼を眺め、記念撮影などをした後は、
一歩一歩ゆっくりと下りながら大江湿原を目指します。
忘れてましたが、
私たちはこの間ずっと野鳥の鳴き声を聞きながら歩いてきました。
実に長閑ですね~。
ウグイス、カッコウの鳴き声は聞き覚えがありますが・・・・・
中には「チョリチョリチョリ~~」という鳴き声も。
Yさんが、「私たちは借金トリと言ってるんですよ」
とにこやかに話してくれました。
途中、若者たちの集団に追い越されても憤慨する者は一人もおりません。
皆笑顔で「こんにちは~、どうぞどうぞ~」
ここでも譲り合いの心です。
因みに・・・木道は右側通行、追い越しは左側通行となります。
ここで、ちょっと珍しいものを・・・
“だけかんば”のお腹から“ななかまど”がニョキっと出ています。
これを寄生植物というんでしょうか?
Yさんの説明がまたもや右から左へ~~~の私です。
(あ、ここだけは、木道から降りて休憩できるんですよ。)
尾瀬の大自然を体全体で味わいながら・・・ああ、少し汗ばんできました。
すると突然視界が広がり、目の前には・・・・・
ワーー!!っと、感動の声がもれて・・・
夢にまで見た大江湿原の水芭蕉です。
ブナ林と高嶺桜と水芭蕉。
高峰桜
東北一の“ひうちが岳”は標高2346メートルです。
ここからもう少し歩くと尾瀬沼の長蔵小屋付近に到着します。
小川はこのように底まで見えるほどきれいに澄んでいます。
川魚がピンピンと跳ねる姿も見られましたよ。
すると、突然“困ったオジサン”を発見!
木道から小川へおりて、ペットボトルを冷やしているではありませんか。
オジサンに踏まれた草が泣いています。
Yさんらが厳重に注意しました。
「俺だけ・・・」は絶対に許されません。
繰り返しますが、植生の回復には30年もかかるんですから。
その④へつづく・・・・・
<おまけ> 長蔵小屋の前に咲いていたシラネアオイ
(至仏山とリュウキンカ)
尾瀬へ行く3日前、尾瀬保護財団から
「はるかな尾瀬」創刊号が送られてきました。
自然保護関係の役を務めている夫が、尾瀬の友の会に入会したのです。
グッドタイミングでした。裏表紙には
みんなの尾瀬を
みんなで守り
みんなで楽しむ
「尾瀬ビジョン」基本理念 とあります。
前置きが長くなりました。その①の続きです。
基本理念をしっかりと抱いて、急いで出発しましょう。
登山道入口は、少しじめじめしています。
案内人のYさんによると、
尾瀬以外の雑草の種が靴底についているのを、
取り除く役割をしているそうです。
その後、暫く木道の階段が続きます。
一気に登ると胸が苦しくなりますが、
Yさんの説明を聞きながらゆっくりと歩いていましたので
思ったより息切れがしませんでした。
テレビのニュースなどで尾瀬が紹介される時は
湿原の木道を楽しげに歩いている場面ですが、
尾瀬は平らなところばかりではなく、アップダウンもかなりあります。
ですから、装備は登山と同じでなければなりません。
くれぐれもお間違いのないように・・・。
Yさんによると案外あるんだそうですよ、勘違いが。
そして、「騙された・・・」と言うそうです。
それから、この日はまだ木道脇のあちこちにこのように雪が残っていました。
1週間前には木道にも雪が残っていたそうです。
(ブナ林とクマザサ)
枝折れ?ではありません。
未だ雪にうずもれた高嶺桜です。
沼山峠の頂上は1784メートルです。もう少し頑張りましょう。
先頭は案内人のYさんです。今年で3年目です。
Yさんはリタイア後、森の案内人になるために熱心に勉強をされました。
講習の日に大雪に見舞われ、それでも二本松までようやっとの思いで
たどり着いたと聞いたことがあります。
高山植物に詳しいYさんから丁寧な説明を聞いたのですが、
右から左へ~~左から右へ~~とみんな流れていってしまいました。
それは冗談として、植物についてはその③でまとめてUPしたいと思います。
さて、木道の値段を聞いてびっくりしました。
なんと、1メートル平均12万円もするそうです。
それを何年か周期で取り替えるんですね。
そうこうしているうちに沼山峠に到着です。
正しくは頂上(1784メートル)より少し下ったところに
尾瀬沼が見下ろせる絶好の地点があります。
ブナ林が伸びてきたので、尾瀬沼は少ししか見えません。
伐採は絶対に許されませんので、我慢してくださいね。
<注意事項>
○尾瀬では木道から下におりてはいけません。
○植物を採取したり折ったりしてはいけません。
(修復するのに30年かかります)
○ごみは持ち帰らなければなりません。
その他尾瀬保護財団の「尾瀬のマナー」をお読み下さい。
その③へつづく・・・
全国各地で被害が出るなど、不安定な天候が続きましたが、
12日の朝はご覧のような青空でした。
すでに県内外から尾瀬を愛する大勢のハイカーが、
ここ御池の駐車場へ到着しています。
昨夜、尾瀬沼へ宿泊された方の車もあるでしょうね。
私たち(Mさんご夫妻、Yさんご夫妻、Tさん、Mさん、森の案内人のYさん、
そしていっこんまの総勢8人)も2台の車に分乗して、地元を午前5時に出発。
須賀川市、天栄村、湯の神温泉郷、田島、南郷村、舘岩村、伊南村
と通過して、桧枝岐のミニ尾瀬公園付近に到着したのが午前7時半ごろでした。
“春セミ”と“カジカ”の歓迎の合唱には、感動して眠気が一気に覚めました。
そこから走ること約15分ほどで、ここ御池に到着します。
(駐車料金は一律1,000円)
森の案内人Yさんから入山についての説明を聞きます。
尾瀬は、日光国立公園の一部に位置していますが、
環境省の公表によりますと、
8月からは、単独の「尾瀬国立公園」となる予定です。
しかもその際、嬉しいことに福島県側の「会津駒が岳」と「田代山」も
尾瀬の仲間入りをすることになり、
本県の尾瀬に占める割合が今までよりぐーんと広くなります。
尾瀬では、自然保護のためマイカーの進入が規制されていますので、
ここからはシャトルバスに乗り換えて、道の駅沼山(ロッジ)まで行きます。
(写真を小さくしたら、会津バスの文字が見えなくなりました)
次のシャトルバスは8時半出発です。
因みに料金は片道400円です。
約15分乗ったでしょうか?
バスは「山の駅沼山」へ到着しました。
昔は沼山ロッジと言ってたと思うんですが・・・
記念撮影も忘れません。 小さくなりましたが、黒い帽子が・・・私。
ここで軽い準備運動。
ゆっくりとアキレス腱を伸ばして・・・
いざ、しゅっぱ~~つ!!
長くなりますので、今回はこの辺で。
次回 その②へ続きます。
<おまけ> 尾瀬といえば・・・・・これでしょう。
本日午後5時15分から、NHK総合で
「ゆうどきネット~とっておき尾瀬紀行」が放映されます。
<追記>
女優の野村真美さんと写真家の新井幸人さんがご出演。
群馬県・鳩待峠から入山されました。
写真家・新井幸人さんのHP