以下は前章の続きである。
誰が民主主義の敵なのか
安倍総理は、トランプ大統領のようにツイッターで暴言を繰り返すキャラクターでは全くない。
が、だからと言って、事がここまで来た以上、従来の日本の政治家の次元から抜け出し、マスコミの嘘と徹底的に戦うべきではないか。
国民がつんぼ桟敷に置かれている―この状況そのものが、国民の政治判断に巨大な影響を与えている。
これは疑いようのない事実だ。
ならば、これこそが総選挙の最大の争点ではないのか。
いまの内憂外患、いや戦争被害の可能性さえ否定できない重大な局面に、マスコミ主導の疑惑騒動で政権が神経戦に消耗させられている。
こんな国民の生命財産にかかわる政治妨害を穏便に済まし、総理が謝る必要のないことまで陳謝して潜り抜けるのが政治のリアリズムだとは私は思わない。
誰が国民の敵かを、安倍総理ははっきり言うべきだ。
言うまでもないが、私がマスコミの言語空間を正常化すべきと言う時、それは安倍礼賛社会にするとか、異論を排除するという意味では全くない。
逆である。
多様で合理的な議論をマスコミ空間にきちんと浸透させることで、我々論壇の実力も試され、政権や政党も真の実力を試され、マスコミも事実報道や論調が妥当かどうかを試される。
相互に負担の大きな「事実に基づく公正な論戦型社会」へと日本の舵を一気に切るべきだと私は言うのである。
私たちはいま、「誰が民主主義の敵なのか」の炙り出しの真っ只中にいる。
この戦いを甘く見、また妥協を重ねて潜り抜けることは、安倍首相も、我々この「問題」を認識している者たちも、もう許されない。
もちろん、巨大なマイクを何十本も独占している人たちと戦うには、私たち一人ひとりは無力である。
だが、蟷螂之斧を信じないところに、独占権力からの解放はあり得ない。
かく言う私も、飛鳥新社とともに朝日新聞との訴訟を戦っている。
その戦いの一環として、私は飛鳥新社、花田紀凱小誌編集長とともに、朝日新聞の全販売代理店に『徹底検証「森友・加計事件」朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』をプレゼントする贈呈運動を展開し、先般、約2,500店舗全てに配布を終えた。
そのなかに次のような挨拶文を入れて、販売代理店の皆さんに、是非、皆さんが売っている朝日新聞が何をやっているのかを知っていただこうという試みである。
この稿続く。