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消費者の眼を欺(あざむ)く『現代ニッポンの発泡トレー』─── それは「進化」か、邪悪な「詐欺商材」か❕❔

2019年06月30日 | 日記

食品スーパーの精肉コーナー等で日常的に目にする食品トレー。 多くは(材料の原色である)白色で、アレが発泡スチロール製だ、というのは多くの人が常識的に分かってるコトであろう。

で、ここから先は知らない人もいる。 発泡スチロールとは、ぶっちゃけ『泡立てたプラスチック(のポリスチレンという種類)』である。 まぁプラスチックの泡クリームとか、淡雪かんみたいなもんだ、とイメージしとけば(真に正解じゃないにせよ)間違ってもいない。

ポリスチレン産品の代表例はCDのプラケースやプラモデルで基本、硬い。 ペコペコ柔らかい”兄弟樹脂”のポリエチレン(ラップやPETボトルの原料)とは、そこが違う……が、泡立てて(98%を空気にして)やることで、柔軟かつ復元性の高い発泡スチロールに化ける。

ご存じの通り、発泡スチロールは環境面の評判が誠にヨロしくなく、マクドナルドの発泡容器が紙容器に、あらゆる梱包用の緩衝材が段ボール製に切り替わったごとく、グローバルな通念的には「いずれは地上から廃絶されるべき原材料」のひとつとして今や、ネガティブに扱われがちな存在となってもいる。

…とは言え。

とは言っても(中東を含む)アジア全般じゃ「発泡トレー」の隆盛は衰える気配なし。 その理由は、この地域の多くは(特に最近になるほど都市部で)食材を国外からの輸入に頼っており、それを加工調理するのに人的&光熱コスト嵩(かさ)み、川下の販売ステージに到達した際、十把ひと絡げの「グラム売り、秤売り」が出来ない状況になってる。 キッチリ儲けを確保するには各々の加工履歴、調理履歴ごとに、グラム単価を(それぞれ工程の原価を積算した上で)変えねばならない。 で結果、メニュー一律同単価の秤売りはできず、皿売り(=トレー売り)となる。 トレーで小分け売りするなら、食品の衛生管理コスト上、PETパックより発泡トレーの方が、腐敗リスクも(振動に伴う)微細亀裂からの液漏れリスクも少ない……といった理屈になるんじゃなかろーか。

と同時に日本では、バブル以降ともなると「店頭陳列時の見栄えも良くなる発泡トレー」の開発普及が進み、特に調理済み海鮮コーナーや(折り寿司に代表される)惣菜コーナー等でフツーに見かけるようになった。

ここに、そんなトレー商品のひとつがある。


この『ワザモリ』と題されたトレー、見た目が「映える」以上に「見た目の量が盛られる」構造になっている。


ご覧の通り、そりゃあ もう露骨に^^;「上げ底」❕なんである。

試しに、ダミー食材(セラミックボールで代用)を等量に採り、フツーの平トレーと本記事のトレーに入れ(見た目を)比べてみたのが下掲の画像だ。


いががだろう。 あなたなら左右、どっちのトレーのが「お買い得」と感じるだろうか❔❔

「見栄えがする」とは聞こえのいい表現だが、悪意に解釈すれば「消費者を騙(ダマ)せる」と同義にもなる。

美味しくもない食材を美味しく見せかける。 ちょっぴりしかないのに、たくさんあるように見せかける。

見栄えのする発泡トレーは用法を曲げれば、食品の偽装販売アイテムとなり得る……という二面性。 いわゆる『諸刃(もろは)の剣』に他ならないことを(われわれ消費者は)重々、理解しておくべきだと思う。

その原因を作っている一端は、われわれ日本の消費者が「食品の見栄えを気にして消費行動を変えるからだ」という反省も必要だろう。 「器(うつわ)も料理のうち」と美学を尊ぶのは勝手だ。 だがその価値観を悪用する調理者/販売者も、残念ながら「必ずハビこる」のだ、ということ。

その点、そういう「食の美学」が浸透し切ってない文化圏の惣菜コーナーは「面倒がなくて」いい。 その地域は、発泡トレーが隆盛してない国々と(奇しくも)ダブる。 すなわちカナダやアメリカ、オーストラリアといった広い国土に恵まれる農業大国だ。

そこでは前述の理屈の「逆」が難なく成立し、多くの調理メニューもまた(小皿になど分けずとも)十把ひと絡げに一律グラム売りできる。 惣菜コーナーの景色も「買う側が盛られた見た目を期待してない」のだから、わざわざ平売りする必要がない。 中身が横から見ても分かるよう透明プラパックに詰めて、それっこそドンキ商法的にズンズン❕積み上げて陳列するだけだ。 売り場面積を取らず、売り場全体の一覧性を向上させ、より多メニューを凝縮した空間で提案&提供できる。


先日アピタ・ピアゴ系の食品スーパーがドンキ傘下に下ったワケだが、根っからが平売りを良しとしないドンキ経営陣は、それこそ北米的な「惣菜も遠慮なく積み上げる。盛られ感を愛でるなどという(どう考えても飽食ボケで非合理的な)戦後ニッポンの食感性は今後、斬って捨てる」、という店頭革新に出るのか。 その辺りの大ナタ振るいについても、注目して見ていきたい。
 

ドンキ経営陣には「広々とした明るい店内」という理想概念が無い。どんなに暗がりが出来てでも商品を高く積み上げ、天井からはPOP暖簾を吊るす。焼きそばのカップ麺を(コンビニ店でおなじみのように)フタを前面に、奥へ奥へと立てかける…的なディスプレイ感覚は「無駄のキワみとして徹底排除❕ される。
=了=

 
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