すずりんの日記

動物好き&読書好き集まれ~!

年賀状、やめられません2~小学校の友人~

2006年01月06日 | ちょっとしたこと
彼女との出会いは、小学校高学年の頃でした。

家が近かったので、
小学生の時は、毎日のように彼女の家に遊びに行き、
彼女のお母さんや妹とも仲良くさせていただいていました。

中学生になると、クラスも別になり、
高校は違う学校に進んだので、
その頃から、ほとんど会う事はありませんでした。

私は高校卒業後、独り暮らしを始め、
社会人になったある日、
ふっと彼女のことを思い出し、
ただただ懐かしさのあまり、彼女の家に電話をかけました。

電話に出た彼女のお母さんに、彼女が在宅かどうか尋ねると、
お母さんは、
ちょっと間を置いて、こう言いました。


「あの娘は、2年前に亡くなったの。ごめんなさいね。」


私は、頭が真っ白になって、
すいませんでした、と言って、そのまま電話を切ってしまいました。

当時、20歳を少し過ぎた頃でした。
どんなことがあっても自分は死なない、なんて、
勝手な、何の根拠もない自信でいっぱいの頃でした。

私は、受話器を置いた瞬間、泣きました。
号泣、・・・そんな泣き方でした。

彼女は、病死でした。
体が弱い、と聞いていたんですが、
心臓が元々弱かったのです。

でも、私は、
「私がもっと早く連絡を取っていれば・・・。」
と思い込んでしまったんです。

私がもっと早く連絡を取っていたとしても、
事実は変わらなかった。
でも、彼女の苦しみ、悲しみ、
どうしようもならない運命への憤りを、
私が少しでも聞いてあげられていたら。

私は、友人の死を、
2年も経って知った自分の薄情さに嫌気がさしました。


私はその後、何年も経ってから、
彼女のお母さん宛に、手紙を書きました。
自分の近況報告と、そして、自分なりの、懺悔のつもりでした。

彼女のお母さんから、返事は来ませんでした。

でも私は、その年に、
彼女のお母さん宛に、年賀状を出しました。
故人の友人の家に、年賀状を出すことに抵抗があったんですが、
私はこのまま終わらせたくない一心でした。

数日して、
彼女のお母さんから、年賀状が届きました。


「体に気をつけて、お仕事がんばってね。」

そう、書き添えてありました。


それから毎年、彼女のお母さんの名前で、
年賀状が届くようになりました。


コメント (4)
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