おっちーの鉛筆カミカミ

演劇モノづくり大好きおっちーのブログです
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ヒストリー・ダイアリー #8,9,10

2006年11月15日 00時09分58秒 | 戯曲『ヒストリー・ダイアリー』
 どーも、鉛筆カミカミです。
 この下の11月14日の記事の後になんか広告貼り付いてますね。
 こんなの初めてで、有名なアファリ(アフェリ?)じゃないし、何でしょう?
 携帯で読んでる人にも分かる話なのかな。
 とりあえず僕は無視してますが、対処法とか、全然分からないので、もしか危険なサイトだったらやばいし、知識のある方いらっしゃったら是非教えてくださーい。

 そんなこんなでヒストリーの連載、数えること9回目ですね。
 次回は記念の第10回目ということで、何か変わったことが起こるかも知れません。?('_'

 それではよろしくお願いします。





 SCINE.8 誰のせいでもない二人


      由里はしばらくの間、適当に座って誰かを待っているが、
      ある瞬間急に立ち上がり、駆け足でハケる。
      由里と入れ替わりにして、耕平が入場してくる。
      由里を探している様子だが、見つからない。

耕平 「・・あれーっ・・・おっかしーなー・・・」

      耕平が入ってきた側から、こっそりと由里が入場してくる。
      耕平に近づき、肩を叩く。

由里 「久しぶり!」
耕平 「・・・・・なぁんだよ、いるんじゃん・・・あせったよ、帰っちゃったかと思った」
由里 「耕平、遅すぎだよ」
耕平 「・・わーるい・・・昨日仲間と、朝まで遊び歩いてた」
由里 「またぁーっ? ・・・いつまでもそんな事して・・・いつか身体こわすよ・・・・・あたしたちだって、いつまでも若くないんだからさ・・」
耕平 「(しばし、ぼっとしてる)・・・・・」
由里 「・・・?」
耕平 「・・まさか、由里にそんなこと言われると思わなかった・・・・お前、成長したな・・」
由里 「・・・そう? ・・・・まぁ、女の二十代は、心の成長期だからね」
耕平 「・・・なんだそりゃ・・・んなの聞いたことねーぞ」
由里 「(笑顔で)いーじゃないのっ!」
耕平 「・・・・・・君が成長してる間に、世間はすごい事になってるみたいだけど」
由里 「・・・ねぇ~っ、いくらテレビとかで騒いでても、全然実感わかないわ」
耕平 「・・・とりあえず、日本に四季・・・あ、四つの季節ね」
由里 「うん」
耕平 「・・・は、なくなったって感じがする」
由里 「あぁ~っ・・・そーだねー・・・・」
耕平 「そういえばさ、オリンピックってどうなったんだっけ? ・・・やるとかやらないとか・・・」
由里 「・・・結局、延期にするかどうかは白紙のままだってさ・・・・・先送りー先送り・・・」
耕平 「だってこんなケース、第二次大戦以来なんだろ?」
由里 「・・・それにしたって、あたし達のところにくる情報は、いっつも半端に不透明なものばっかり・・・大衆を混乱させないための情報操作だかなんだか知らないけど、逆にストレスたまるばっかなのよねー・・・」
耕平 「・・・ふん(あいづち)・・・」
由里 「・・・大体、人間が人間の気持ちを操作しようってゆー根性が気に入らないわ」
耕平 「・・・まー、そうかもしんないけど・・・情報出す方も、今の状況よくわかってないんじゃないの?・・ヘタな事言えないってゆーか・・」
由里 「・・・うーん・・・・まっ・・とりあえず、まだあたしらには全然実害ないし・・・気楽なもんだよ」
耕平 「そーかぁ・・・? かなり不安だと思うけど」
由里 「・・・そう思ってないと、普通に生活もできないってことだよ・・」
耕平 「・・・・・・・あ・・そうか・・・・オレらにできる事なんて、そんなもんだよな・・・」
由里 「・・・・」
耕平 「・・・でさ、」
由里 「でね、今日は行くところ決まってるんだ」
耕平 「・・えっ? そうなんだ・・・それって・・・?」



 SCINE.9 再会Ⅱ


まもり「・・・いらっしゃい!」

      まもり、入場。

由里 「まもりさん・・・来ちゃった」
まもり「うん、待ってたよ・・・ありがとね」
耕平 「・・・どーも・・・久しぶりです」
まもり「うん・・・耕平君久しぶり・・・相変わらず可愛いねー」
耕平 「・・・・可愛い・・・?」
まもり「・・・じゃあ、さっそくあがって・・・?」
由里 「はい、おじゃましまーす・・・」
耕平 「・・・おじゃまします」

      三人、ハケる。



 SCINE.10-1 空が高すぎる


      三人がハケるのと同時に、反対側から真二入場。
      本を持っている。

真二 「・・・・・ケータ・・・いるんだろう? ・・・いるんなら教えてくれ・・・聞きたい事があるんだ。・・・この本を見守る精霊よ・・・」
耕平 「・・・なんだ? 精霊って・・」

      耕平、再入場。

真二 「・・・誰だ? 君は?」
耕平 「ゲッ、ショック。・・・及川、もしかしてオレのこと忘れちゃった?」
真二 「・・・・・君は・・・・・もしかして、僕か?」
耕平 「あァーッ? ・・・変わった奴とは思ってたんだけどー・・・」
真二 「・・・・・なぁ・・・僕はこの先、どうしたらいいんだ?」
耕平 「は? ・・・お前、なんかやらかしたのか?」
真二 「・・・・・いや・・・僕は・・・」
耕平 「・・・なんかあったんだな。・・・素直に認めちゃえよ」
真二 「・・・・・(ボソッと)あの本に・・・」
耕平 「・・・エッ? なに? 聞こえない」
真二 「・・・・・いま世界で起きてる気候異変は、僕が起こしたんだ」
耕平 「はっ? それどういうこと?」
真二 「・・・このままいけばあと約半年で、地球上の人口は約三分の一に激減する」
耕平 「そんなことお前がどーして言えるんだよ?」
真二 「・・・今から一ヶ月後に、巨大な隕石が地球に激突するんだ」
耕平 「・・・・・!(悟ったらしい) ・・・及川、お前・・・・・ウソだろ・・・?」
真二 「・・・あの本にそう書いた」
耕平 「・・・・・ジョーダン・・・、うそだろぉ?・・・馬鹿かおまえッッ!」



 SCINE.10-2 CHASER


まもり「・・・ほんとにバカだよね・・・」

      まもり&由里、登場。

耕平 「だってあの本に書き込んだことは、ほんとにほんとになっちゃうんだぞ! あいつだってわかってるだろーが!」
由里 「・・・そーだよ」
耕平 「・・・大体、何であいつがあの本持ってるんだよ! 由里が持ってたんじゃないのか?」
由里 「・・・・・ゴメン・・・あたしが真二君に渡しちゃった・・・」
耕平 「・・・なんでッッ!」
まもり「そんなこと今さら言ってもしょうがないよ・・・とにかく、今は真二君を止めないと」
耕平 「それはもちろんそうだけど・・・」
まもり「それに・・・たぶん、真二君がそれを書いたのは、最近の事じゃない」
耕平 「エッ・・・じゃあいつなんだ?」
まもり「・・・今から、おおよそ一年前・・・」
由里 「・・・それって、あたしたちが出会った頃だ・・・」
まもり「そう・・・あの日のほんの少し前の時期だと思う」
耕平 「・・・そんな事、今はどうだっていいことじゃん・・・まもりさん、及川は今、どこにいるんだ?」
まもり「・・・それが、昨日から行方がわからないの」
由里 「それでウチに連絡がきたんだよ」
耕平 「えっ! ・・・でもそれじゃあ・・・」
まもり「・・・大丈夫、私についてきて・・・なんとかするから」

      まもりは退場する。

耕平 「あっ! まもりさん! なんとかするって・・・」
由里 「耕平、あたし達も行こう。・・・今はまもりさんについてくしかないよ」

      由里は、退場しようとする。

耕平 「由里! ちょっと待って・・」
由里 「・・・? 何?」
耕平 「・・・・・・・いや・・・・大変な事になったな」
由里 「・・・・・・そうね」

      二人は退場する。
      真二も、苦悩しながら退場。





 はてさて今回で物語の全貌が明らかになり、急展開を迎えております。
 でも細かいとことかなー、もうちょっと直せると思うところもあるんですが、直し始めると切りがないということで、今回は完全オリジナルを再発表している訳でございます。

 さてこの脚本、僕が大学2年生の頃、初秋くらいにあった学園祭で、教室を使って公演を打った芝居の脚本です。
 なのでそこかしこに若さが滲み出ております。いい意味でも、悪い意味でも。

 大学2年の初夏の頃、演劇サークルの部室に入ると、1年上のH先輩が知らない友人と2人でいて、入ったらいきなり、「学園祭で芝居やろう!」と言われました。
 僕はその時いいですねと快諾し、結局H先輩の書いて演出した芝居と僕の芝居との2本立てで、公演を打ったわけです。
 肝心のお客さんがどんな反応だったかってあまり覚えてないんですが、ひとり、H先輩の芝居に出ていた役者さんが僕らの芝居のリハーサルを見て、あとで、うまく言葉にできないけどすごく感動したみたいなことを言ってくれたのがものすごく印象に残っています。

 まあそんなこんなで、まだ続きます。

 どうぞよろしく。

 鉛筆カミカミ