おっちーの鉛筆カミカミ

演劇モノづくり大好きおっちーのブログです
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ONE EYES(11)

2009年04月14日 20時16分19秒 | 小説『ONE EYES』

第4章 え?親友ってヤツ。(2)


「修?」
 そいつも、俺と同じ様に素っ頓狂な声を上げていた。
 お互いが、まさかこんなところで会うとは夢にも思っていなかった。
 修が言った。
「シン……慎平?」
「えっ?」
 みどりが驚いて声を出した。
「修くん知り合いなの?」
「何でお前こんなところにいるんだよ?」
 修が慎平に訊ねた。その驚きが表情に満ちている。
「知るかよ。お前こそこんなところに何しに来てるんだよ?」
 慎平も動揺している。声が上擦る。
「俺は、ここの、生徒だもの」
 修も呂律が回らない。
「あぁそうか。俺は……説明すると長くなるんで」
「そうか。まあとにかく」
 修と慎平の目が、ニヤリと合った。
「「久し振りーっ!!」」
 修は下手から、慎平は上から、お互いの掌をバチンと合わせた。
 みどりは唖然として2人の様子を見るだけだった。

「慎平さん、修くんとも知り合いなの?」
 みどりが訊ねると、慎平は、
「まあねー♪」
 上機嫌である。
「修、聞きたい事は沢山ある!」
 慎平と修が話し込もうとすると……そこに、
「ん!ンンーーーっ!」
 ピコタン絵画教室唯一の先生、同時に愛奈さんの旦那さんが咳払いをした。
「しまった」
 今授業中だったんだ。興奮してキレイサッパリ頭に無かった。
 修は身の置き所の無い様子で、
「慎、悪い。話は後にしよ」
 言うと、慎平は
「わかった」
 直ぐに全部理解した。
 するとみどりが、
「先生すみませんでした。授業を続けてください」
 後を執り成す。
 しかし先生は、
「修くん、君は途中から来たし、授業の話が分からないかもしれない。今日は、その慎平くんと隣の部屋で話してきたらどうだい」
 仰ってくれた。
 修は先生の計らいに少し感動して、
「先生すみません。……ありがとうございます!」
「よかったね」
 そしてみどりが笑顔で修と慎平に言った。

 一方、傍らでは、無表情の水原将がその様子を眺めていた。

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2 コメント

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こんにちわ! (井川)
2010-03-17 09:31:31
おっちーさん!まいどです!!
最新記事でなく、何気に「ONE EYES(11)」のコメかよ~(笑)・・と言われそうなんですが、そうなんです。(1)から順番に少しづつ楽しもうと思ってたら(11)まで一気に読んでしまいましただって、一話一話の  ”繋ぎ” が上手いもんだから、ついつい・・・・まんまとハマッた感、満載です

冒頭の、慎平の目の前で絵画作品をガリガリってシーンくらいから、その「事件」の後の、慎平の絵画作品に集中しようとしても、先の「ガリガリ」が気になって集中できないくだりで、読み手の僕は すっかり慎平の視点で入っていきました。 だいたい、情景描写が上手すぎますね!!コメントも拝見しましたが、みなさん、おっしゃっているように、「会話」のテンポの良さが情景描写を「後押し」して、読み手からは「本当にそれが そこで起こっている」感じになります。

水原 将。ショッキングな登場についで、ちょっとミステリアスな立ち居振る舞い。あまり物をいわないのに、ものすごい存在感。
ちょっとビックリなのが、(8)では、読む側の視点がやや「将」の視点になる!!
という事です。
おっちーさんは「さらっ」と書いておられますが、普通、ちょっと不自然な展開になってしまうもんですよね。でも、すごく自然。そのあと、完全に市川修の視点にガラッと変わり、元の絵画教室にもどす!なるほど!!めっちゃ勉強になります。この物語のここまでの構成だけで、すでに僕は感動してしまいました。

もともとのシナリオがあって、何回も構成を変えて作られているのですよね。その為か、ほんのちょっとした(例えば修の登場での、女子高生と道のふさぎ合い(笑)などなど・・・)人物の動作が、すごく動きがある様に感じました。
すご!!
僕も素人細工とは言え、一応真剣に小説をつくる人のはしくれとして、まさに学ぶべきが満載です本当に・・・

この「ONE EYES」が現在は(19)まできてるんですね。でも、僕は順番に見て行きたいんで、(20)がUPされても読まないでおこう(笑)とおもっていますだって、楽しみがなくなってしまうじゃないですか(笑)。

すみません!またまた、妙なタイミングで、妙なコメントで・・・とりあえず、感動を伝えないと気が済なないたちなもので・・・・

長々とすみません!!でも、素敵な話、ほんとうにありがとうございます~ 執筆、頑張ってくださいね!!
また、妙なタイミング(笑)で遊びに来ます~
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うわあ~、すごく嬉しいです。 井川さんへ (おっちー)
2010-03-17 21:42:26
 ありがとうございますっ!!!

 僕なんかの書いた文章に対しての過分なお言葉、本当に痛み入ります!

 井川さんのコメントを読んで、自分の作品を読み返して、改めて「あぁ、こんな文章書いてたんだなあ」と、結構自分の書いたコト忘れている事に気付きました

 一度ぜんぶ読み返す必要もありそうですよね

 でもこんなに一生懸命に読んでいただいて、熱いコメントを残してくださって、ほんとモノ作りをやっている人間の冥利に尽きます

 頑張ろう!という気持ちをいただきます。
 本当にありがとうです

 井川さんの作品も時間が空いたら是非読みにいきたいと思っています。
 執筆頑張ってくださいね

 ゼヒゼヒまた妙なタイミングで遊びにきてください

 待ってます

 ではでは~
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