おっちーの鉛筆カミカミ

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言いわけ

2014年03月17日 23時30分14秒 | 小説・短編つれづれ
 真希には、マコトという男の子供がいた。生まれつき体が弱く、いつも病院に通っていた。
 物心ついた頃から、マコトは家でTVゲームばかりしていた。そこで真希は、彼のゲームする時間を制限した。
 小学生になった彼に、真希は携帯電話を買い与えた。緊急時に連絡が取れるように、という配慮からだった。
 携帯電話を手に入れると、彼は自分の部屋でも学校でも、はたまた病院の中でも、ケータイのゲームに没頭するようになった。
 真希は困って、せめて病院では携帯の電源を切るように、彼に言い聞かせた。しばらくすると、彼は病院でゲームするのを我慢するようになった。
 中学生になると、彼はひとりで通院できるようになった。真希は、病院で携帯をいじっていないか、彼に確認した。
「周りの患者さんに迷惑だから、電源は切っているよ」彼はそう答えた。
 高校生になったマコト。ある日、真希は彼に用事を頼んだ。
「病院の帰りに、豆腐を二つ買ってきて」
 彼が病院に着いた頃、真希は用事をもう一つ思い出した。そこで、彼の携帯にメールを送った。
 帰宅した彼に真希は、
「メールに気付いた?」と訊いた。
「ゲームしている時にメール寄こさないでよ」彼はそう答えた。
「あなた、病院でゲームしていたの?」真希は訊ねた。
「そんな……わけないじゃん」
「じゃあ、いつしていたの?」
「……歩きながら」
「それも駄目!」


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとです (はる)
2014-03-29 16:11:35
おっちーさん、朗読させてもらいましたよ。
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返コメ遅れました! (おっちー)
2014-03-27 00:14:21
申し訳ないです。ご返答遅れてしまいました。
どうぞ朗読してやってくださいませ。
光栄ですー。
作品楽しみにしていますね。
ではでは。
返信する
お願いです (はる)
2014-03-22 22:03:44
おっちーさん、この作品を朗読させて
頂いても良いでしょうか?
お願いします。
返信する

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