1年の浪人生活も、終わりにさしかかろうとしていた頃…
AさんとMくんが一緒に食堂から出てくるのにバッタリ会ってしまった。
2人は笑いながら話していた。そこにちょうど。
それぞれ一瞬言葉がなくなった。でも普通に分かれた。それぞれが、行こうとしていた場所にそのまま足を運んだ。その時僕は、空虚な気持ちがしていた。
Aさんと、Mくんと、僕はそんな関係。
Hさんは、自分の恋に必死に悩んでいた。
隣の席に座りあって、楽しそうに話はするものの、いざその未来を見ると、虚しい風が吹き抜けていた。
だから僕は、春休み、一緒に遊ぼうという約束を守らなかったのだ。
その先の日々が見えなかったから。
きっと、4人とも同じようなことを考えていたのだと思う。だから誰も自分から声を挙げなかった。
1年の僕の浪人生活は、そんな風に幕を降ろした。
あっ、肝心の大学入試はというと、第1志望とはいかなかったものの、それなりの大学に受かることができた。まったく学力なんて身に付いていなかったのに。ただ自分が得意な問題が、その時出ただけ。本当に運が良かった。でも僕はその頃、プライドだけは高かった。ヘタに中学時代、成績が良かったから。自分が行こうとしていた大学に、その頃の学力としては相応なのに、納得をしていなかった。
そのことはその後の学校生活に、大きな暗い影を落とすことになる。
<後日談>
僕が大学に入った後の話。
中高と6年間、同じ部活で仲間だったkazくんの一人暮らしの部屋に泊まりに行った。
kazくんは、僕と同じ一浪で、T大学の1年生になっていた。
部屋の片隅に、T大の入学アルバムを見つけた。それぞれの学部とクラスの、新入生全員の集合写真が載っている。
それを眺めていた。
「あっ、この子Aさんに似てる!」
見つけてしまった。
もしやと思い、アルバムの最後のほうのページに載っている、集合写真に対応した名簿を探す。
あった。
Aさんその人の名前だ。
「お医者さんになりたいって言ってたけど、結局この学部に入ったんだな」
医学とは関係ない学部。
Aさんは二浪だった。そのことを僕が知ったのは浪人生活の後半で、Aさんから聞いたのではなかった。
僕にとってそれは、とても大変な秘密を知ってしまったように思えて、Aさんとの話題の中で直接聞くこともできず、結局そのまま会わなくなってしまった。
それにしても偶然って恐ろしい。運命すら感じる。
その次の日、kazくんと一緒にT大に遊びに行くことになっていた。Aさんを訪ねてみようかとも思った。でも、まだ大きな意味で気持ちは繋がっているけれども、会わない。もう僕にとっては終わったことだった。だから会いには行かなかった。もう一度、写真でも、顔を見れただけで満足してしまっていた(ちょっと強がり?)。
ただ、その写真が欲しくて、その入学アルバムをくれと、kazくんに頼んだ。いくらなんでも、くれるはずはなかった(笑)。
その晩は、kazくんがT大で繰り広げている、恋の話題に花が咲いた。
僕の恋バナも、もうあったんだけどね(笑)
AさんとMくんが一緒に食堂から出てくるのにバッタリ会ってしまった。
2人は笑いながら話していた。そこにちょうど。
それぞれ一瞬言葉がなくなった。でも普通に分かれた。それぞれが、行こうとしていた場所にそのまま足を運んだ。その時僕は、空虚な気持ちがしていた。
Aさんと、Mくんと、僕はそんな関係。
Hさんは、自分の恋に必死に悩んでいた。
隣の席に座りあって、楽しそうに話はするものの、いざその未来を見ると、虚しい風が吹き抜けていた。
だから僕は、春休み、一緒に遊ぼうという約束を守らなかったのだ。
その先の日々が見えなかったから。
きっと、4人とも同じようなことを考えていたのだと思う。だから誰も自分から声を挙げなかった。
1年の僕の浪人生活は、そんな風に幕を降ろした。
あっ、肝心の大学入試はというと、第1志望とはいかなかったものの、それなりの大学に受かることができた。まったく学力なんて身に付いていなかったのに。ただ自分が得意な問題が、その時出ただけ。本当に運が良かった。でも僕はその頃、プライドだけは高かった。ヘタに中学時代、成績が良かったから。自分が行こうとしていた大学に、その頃の学力としては相応なのに、納得をしていなかった。
そのことはその後の学校生活に、大きな暗い影を落とすことになる。
<後日談>
僕が大学に入った後の話。
中高と6年間、同じ部活で仲間だったkazくんの一人暮らしの部屋に泊まりに行った。
kazくんは、僕と同じ一浪で、T大学の1年生になっていた。
部屋の片隅に、T大の入学アルバムを見つけた。それぞれの学部とクラスの、新入生全員の集合写真が載っている。
それを眺めていた。
「あっ、この子Aさんに似てる!」
見つけてしまった。
もしやと思い、アルバムの最後のほうのページに載っている、集合写真に対応した名簿を探す。
あった。
Aさんその人の名前だ。
「お医者さんになりたいって言ってたけど、結局この学部に入ったんだな」
医学とは関係ない学部。
Aさんは二浪だった。そのことを僕が知ったのは浪人生活の後半で、Aさんから聞いたのではなかった。
僕にとってそれは、とても大変な秘密を知ってしまったように思えて、Aさんとの話題の中で直接聞くこともできず、結局そのまま会わなくなってしまった。
それにしても偶然って恐ろしい。運命すら感じる。
その次の日、kazくんと一緒にT大に遊びに行くことになっていた。Aさんを訪ねてみようかとも思った。でも、まだ大きな意味で気持ちは繋がっているけれども、会わない。もう僕にとっては終わったことだった。だから会いには行かなかった。もう一度、写真でも、顔を見れただけで満足してしまっていた(ちょっと強がり?)。
ただ、その写真が欲しくて、その入学アルバムをくれと、kazくんに頼んだ。いくらなんでも、くれるはずはなかった(笑)。
その晩は、kazくんがT大で繰り広げている、恋の話題に花が咲いた。
僕の恋バナも、もうあったんだけどね(笑)
ドキドキしますよね。
それが大人だったら、よし飲み会でもセットしていっちょ逢ってみようってな開き直りのコンコンチキになれるんですが、青春って繊細でイジけやすいからできないんだよなあ。
ショボリンポ
自分が結婚しないと無理なような気がする。
性格かなあ。それとも、まだ根に持ってるのかなあ。
早くスッキリしたいです。
ションポリンポ