
見かけよりぬくきものなり頬被 右城暮石
頬被は掃除のときの煤除けだったり
都合の悪い時の小狡い態度だったりの
どちらかというと逃げるような隠れるような意味合いだと思っていたが
その前に帽子代わりの防寒具であったことを
再発見させてくれる
ひょっとこ踊りやドジョウ掬いには欠かせない
作者のしてやったりの顔がうかぶ (小林たけし)
【頬冠】 ほおかむり(ホホ・・)
◇「頬かぶり」
手拭で頭から頬にかけてを包むこと。防寒、防塵、顔隠しなどを目的とする。帽子普及以前の庶民の習俗。
例句 作者
生涯を都に遠く頬かぶり 市原あつし
曳く馬に養はれゐる頬被 福田蓼汀
頬かむりをとこ結びに朝市女 上村占魚
頬被り渡舟の席の座り沢 中村草田男
亡父かなし夢の中まで頬被 成田智世子
頬被り上手な斜里の女かな 千葉 仁
そこにあるありあふものを頬被 高浜虚子