竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

土色の顔の出てきて飾り売る  山口輝男

2019-12-28 | 今日の季語


土色の顔の出てきて飾り売る  山口輝男

「飾売」とはなんとも懐かしい響きだろう
年の市という言葉も死語に近い
近所のスーパーで注連も間に合う世相になって久しい
土色の顔をした店の主となればもう追憶の中にしか存在しない
掲句は貴重な歴史の小さなワンシーンの「切り取り」だ
(小林たけし)

【飾売】 かざりうり
年の市などで注連飾り、門松など正月用の飾りを売ることをいう。

例句 作者

行く人の後ろ見送り飾売 高浜虚子
飾売焚火に時を濃くしつつ 遠藤正年
飾売まづ暮れなづむ大欅 皆川盤水
叡山の尖れる空や飾売 鷲谷七菜子
その前をきれいに掃いて飾売る 山口青邨
飾売どこへともなく帰り行く 三村純也
神明に近くめ組の飾売 中 火臣
眼差にともる月日や飾売 望月たかし