机の上から、わたしを見つめるジル。
すっかり夏バテしてした身体で、自転車を走らせていると、目が空中を向いているのか、フラフラ運転。すると前方からくる自転車とぶつかりそうになり、フラッと交わす。「なんちゅう・・・・(怒)」と怒りを押し殺した声が背後でする。人に不愉快な思いをさせたと思い、「詫びに戻ろうか?」と思うが、人間弱った時は、「弱り目に、祟り目」と相場が決まっている。「すんませんなぁ」と心で謝った。頭に浮かぶ言葉も、ヒロクニさんのよく使う言葉「あきまへんなぁ」的な調子になりがちになり、「おばさん」ではなく、「おっさん」になる。
夕食も「今日は、ラーメンでも食べに行こ」。
「今日は、もう料理する気がわかへんわ」。
もう、言葉もダラダラしていて、真に夏バテである。
なんとか、ヒロクニさんを外食へ誘き出さねば・・・・。
全身疲れていて、どうしようもおまへんと言う感じをオーバーに伝えねばならない。
そうして、適当な近所でなんとか食事をして帰りつき、家でぐったりしていたら
こいつがジーと不動の姿で見ているのだ。
お互い、長く見つめ合って見ていた。
そして、なんか頭の上でも気配がして見てみると、
頭の上に積んだ本の上に乗って、わたしを見つめていたみたい。
キタハマの顔が、歪んでいる。
「あー、こいつらもわたしに何かして欲しいんやねぇ」
「君たちは、まだ簡単だからいいけど、ちょっとは休ませて欲しいわ」と言って立ち上がり
カリカリをお皿にザラザラと入れてあげると二匹ともわたしの周りから離れた。
ちょっと、肩でも揉みながら「いつもお世話になってますねぇ。オカミサン」等とねぎらってくれんのかね~。
猫相手に自分自身を語るのでした。