“CAR”と書き込まれています。
車を描いています。
描写とは程遠く、抽象的に。
タイヤの大きさが大小様々。
タイヤが自由にあちこちに動いているようで、
道ではなく凸凹の山を登っているような雰囲気。
でも、方向だけはしっかりしている。
ヒロクニさんの生き方って、こんな感じかもしれない。
絵は色鉛筆と鉛筆で描かれ、
紙は伸され、絵の表面はもう色鉛筆が染みこんでいる。
あの例の“紙をしごいている作業”の賜物の絵の表面。
もう、印刷みたい。
描き方が異常な色鉛筆画なのです。
しかし、おもちゃ箱のような感じが楽しくさせてくれます。
こういう絵を描くヒロクニさんは、今は狼男の風貌だ。
わたしは、「もう、仙人になってしまえば?」というくらい。
「狼男記念」として、アトリエでヒロクニさんの写真を撮りました。
↑夜、アトリエでわたしに話をするヒロクニさん。
手に持っている紙をしごきながら、話をしています。
「俺なんて、紙を年がら年中いじっているだけ」と言い、
「もう、紙の上のことばかりよ。
そうやって考えると、文字もそうだよね。
紙の上って重要なんよ。私に取ってはね」と。
話の脈絡が変わって、「童話とか絵と文も紙の上だよね」と言ったかと思うと、
「童話ってさ、山を歩いていると、狼の角を引き抜いて、その舌を引き抜いたとかでしょ」と言う。
狼の角?
角を引き抜く?
舌を引き抜く?
こういうのがヒロクニさんの童話なんだと思うと、違和感が。
こういう時、“わたしはまとも”を痛感します。
攻撃的な童話なんで、ちょっと引きました。
仏教に親しんでいるヒロクニさんは、地獄絵と童話がごっちゃになっているような気がした。
「舌を引き抜く」は、地獄に落ちた時、
閻魔さんが嘘つきの舌を引き抜くってあった。
童話の話で苦々しく思ったわたしは、アトリエの一角の写真を撮った。
↑こちら。
右横にあるテーブルに絵が積み重ねてあります。
描きかけのメモ。
わら半紙のA2の大きいサイズをメモにしています。
こちらは、店頭ではあまり売っていないので、取り寄せています。
童話の話から、矢川澄子さん(海外の幻想小説の翻訳が多い)の話や、
澁澤龍彦氏(フランス文学者)の話、種村季弘氏(ドイツ文学者)になり、
とても話が高尚になりすぎて、固まっていました。
「山を歩いていると、狼の角を引き抜いて、舌を引き抜いたなんてね」の方が面白いよぉ~と、
心の中で叫んでいるわたし・・・。
↑アトリエで制作のヒロクニ。
こうやって、制作に励んでいるのが毎日。
最近、部屋の上に針金を渡し、絵を洗濯物のように吊るしています。
そうして、大正時代生まれの祖母がしていたのを再現した、わたしの料理を食べる日が到来。
↑「ずいきの煮物」
自家製、“芋がら”。(ずいきを干したものです。)
私は子供の頃食べましたので、とても懐かしい味なのですが、
ヒロクニさんは、見かけが怖かったようで、少し手をつけて残しました。
ところが、翌日、残った“芋がら”の煮物がかなり減っていて、
「意外と美味しいね」と。
白ご飯と食べていました。
やっぱり、「意外」という言葉がくっつきます。
そういうものなのか?
■簡単にお料理の過程を紹介します。
下準備がある食材ですので。
↑干した芋茎を取り出します。
ボールに入れ、20分ぐらい水に浸けておきます。
↑こちらが20分後。
この芋茎を固く絞って、沸騰したお湯に酢を小さじ1/2入れたものに
入れて茹でます。茹で時間は、30分。
これをザルにあけ、水にさっと浸け、固く絞ります。
(この過程がちょっとめんどうかも。)
↑絞ったものがこちら。
これを3cm位に切る。揚げは6mmぐらいの幅に切っておく。
後は、鰹と昆布のだし汁でひたひたにしたものに、みりん大匙1。醤油で煮ていきます。
醤油は、味見しながら好みの濃さに。
家は、甘めが好きなので、小さじ山一杯の砂糖を入れています。
見かけより、美味しい料理です。
“芋がら”は、味としては“ぜんまい”とも少し似ているような気がする。
ぜんまいを薄味にした感じでしょうか?(個人的感想)
栄養価が高いというのもいい。
今は、買うと高いもののようで、けっこうなお値段。
そうなのか・・・・、と。
祖母が作っていた自家製“芋がら”は、
子供の頃は貧乏の証しのように映って、
「おばあちゃん、もう戦争は終わったんだよ。
時代は変わったんだよ」と、言っていた思い出も。
家の中で広げられていると、時代錯誤な感じがして。
でも、そうとばかりではなかったのだと、思いました。
あの味をもう一度だったのだと。
今日は、狼男から仙人への道の武内の実物を紹介しました。
毎日、コツコツと絵を描いています。
夫婦漫才に近い、おかしな夫婦の話を読んで下さった方
ありがとうございます。
このブログけっこう長文になって、
読むの大変かもと思っています。
話も飛ぶし・・・。(ペコリ)
風が波打つ(色鉛筆作品643)の感じと似ているような気がしました。両方とも、風と車そのものが楽しそうにしていて、ダイナミックでにぎやかな動きを感じる作品です。
ヒロクニ先生、私の想像をはるかに超える狼男っぷりです。毛髪が豊かで、うらやましがる男性が多そうです。
舌を引き抜く童話は舌切り雀?と思いましたが、角を引き抜く童話はわからないです。狼だから、外国の童話でしょうか。ストーリーは衝撃的な内容を想像します。
地獄絵と童話を同じレベルで認識していることに驚きました。日本の童話(昔ばなし?)は結末が穏やかに感じますが、外国の童話は残酷なものが多いように感じます。地獄絵は海外の童話でしょうか。
ずいきの煮物、ヒロクニ先生が食べてくれて良かったです。あれだけ手間をかけて作ったずいき、見た目だけで「食べない」と言われちゃうと悲しいなあと思っていたのでした。
ずいきは子供の頃から食べていた、などの馴染みがないと「え、芋の茎を食べるの?」と思う方が多いかもしれないと思いました。美味しいので、食べず嫌いをせずに勇気を出して口にしてほしいと思います。
下準備もこれまた手間がかかりますね。からからにしなびたずいきが水分を吸ってぷっくらする姿は、かわいらしくて嬉しくなります。
手間はかかりますが、本来なら捨ててしまう芋の茎から作るので無駄がないし、乾物なので保存もきいて優秀な食材だと思います。
ずいきを芋の茎から自宅で作ってしまうさほりんは、すごいです。
ここのところ、「狼男」とヒロクニさんのことを書いていましたが、本当に狼男でしょ。これで、女性を襲ったら、「赤ずきん」の狼です。頬のところからも毛が生えるのに驚きましたわ。この年齢で、ハゲていないので、そういう体質なんでしょう。自己肯定が強い人は、毛が多いらしいとも聞きます。
今回の絵には、純粋な楽しさがあって元気な感じが私もします。「俺、どこまでもいけちゃうぜ!」というお言葉、うまくいいますね。そんなノリの時があります。勢いがあるというか・・・。勢いというのは、エネルギーなんでしょうかねぇ。
ヒロクニさんは、あまり童話に親しんでいない人だから、荒唐無稽なことを言うのだと思います。「アンデルセン童話なんて嫌いだ」と言われたこともあります。角とかは、牛と間違えているような気もするのでが・・・。地獄絵というのは、寺等にたくさん残されていて、火あぶりや、舌を抜かれたり、針山を登らされるとか、そんな絵を見ていたのだと思います。外国にもあって、よく似た光景が描かれているので普遍的なものなのか?と私は思っています。ヒロクニさんの場合は、ヒロクニ脳内の童話のイメージでメチャクチャなんだと思います。それが、意表をついて可笑しい・・・。外国の童話は、けっこう残酷というか、筋にメリハリが効いているというか、話が容赦ない感じを私も受けます。仕返しが酷いというか凄い印象です。
「ずいき」は、食べてくれてホッとしました。ともりん、心配してくれてありがとう。確かに、手間をかけたのに「まずい」と言われたら、虚しくなっていたと思います。翌日、食べてくれた時に、「それ、栄養価がとても高いのよ!」と何度も言いました。「鉄分やミネラルが豊富で身体にとてもいいのよぉ!」とも。まだまだ、食べてもらわないといけないから。
こんな調子で、主人を洗脳します(笑)
コメント、ありがとう!
寒くなりました。猫達、皆元気でね。
ピーは、今、膝に乗ってます。