武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

CAR(色鉛筆作品紹介648)と 狼男な画家

2021-12-07 15:50:24 | Weblog

“CAR”と書き込まれています。

車を描いています。

描写とは程遠く、抽象的に。

タイヤの大きさが大小様々。

タイヤが自由にあちこちに動いているようで、

道ではなく凸凹の山を登っているような雰囲気。

でも、方向だけはしっかりしている。

ヒロクニさんの生き方って、こんな感じかもしれない。

絵は色鉛筆と鉛筆で描かれ、

紙は伸され、絵の表面はもう色鉛筆が染みこんでいる。

あの例の“紙をしごいている作業”の賜物の絵の表面。

もう、印刷みたい。

描き方が異常な色鉛筆画なのです。

しかし、おもちゃ箱のような感じが楽しくさせてくれます。

 

 

こういう絵を描くヒロクニさんは、今は狼男の風貌だ。

わたしは、「もう、仙人になってしまえば?」というくらい。

「狼男記念」として、アトリエでヒロクニさんの写真を撮りました。

↑夜、アトリエでわたしに話をするヒロクニさん。

手に持っている紙をしごきながら、話をしています。

「俺なんて、紙を年がら年中いじっているだけ」と言い、

「もう、紙の上のことばかりよ。

 そうやって考えると、文字もそうだよね。

 紙の上って重要なんよ。私に取ってはね」と。

話の脈絡が変わって、「童話とか絵と文も紙の上だよね」と言ったかと思うと、

「童話ってさ、山を歩いていると、狼の角を引き抜いて、その舌を引き抜いたとかでしょ」と言う。

狼の角?

角を引き抜く?

舌を引き抜く?

こういうのがヒロクニさんの童話なんだと思うと、違和感が。

こういう時、“わたしはまとも”を痛感します。

攻撃的な童話なんで、ちょっと引きました。

仏教に親しんでいるヒロクニさんは、地獄絵と童話がごっちゃになっているような気がした。

「舌を引き抜く」は、地獄に落ちた時、

閻魔さんが嘘つきの舌を引き抜くってあった。

童話の話で苦々しく思ったわたしは、アトリエの一角の写真を撮った。

↑こちら。

右横にあるテーブルに絵が積み重ねてあります。

描きかけのメモ。

わら半紙のA2の大きいサイズをメモにしています。

こちらは、店頭ではあまり売っていないので、取り寄せています。

童話の話から、矢川澄子さん(海外の幻想小説の翻訳が多い)の話や、

澁澤龍彦氏(フランス文学者)の話、種村季弘氏(ドイツ文学者)になり、

とても話が高尚になりすぎて、固まっていました。

「山を歩いていると、狼の角を引き抜いて、舌を引き抜いたなんてね」の方が面白いよぉ~と、

心の中で叫んでいるわたし・・・。

 

↑アトリエで制作のヒロクニ。

こうやって、制作に励んでいるのが毎日。

最近、部屋の上に針金を渡し、絵を洗濯物のように吊るしています。

 

 

そうして、大正時代生まれの祖母がしていたのを再現した、わたしの料理を食べる日が到来。

↑「ずいきの煮物」

自家製、“芋がら”。(ずいきを干したものです。)

私は子供の頃食べましたので、とても懐かしい味なのですが、

ヒロクニさんは、見かけが怖かったようで、少し手をつけて残しました。

ところが、翌日、残った“芋がら”の煮物がかなり減っていて、

「意外と美味しいね」と。

白ご飯と食べていました。

やっぱり、「意外」という言葉がくっつきます。

そういうものなのか?

■簡単にお料理の過程を紹介します。

下準備がある食材ですので。

↑干した芋茎を取り出します。

ボールに入れ、20分ぐらい水に浸けておきます。

↑こちらが20分後。

この芋茎を固く絞って、沸騰したお湯に酢を小さじ1/2入れたものに

入れて茹でます。茹で時間は、30分。

これをザルにあけ、水にさっと浸け、固く絞ります。

 (この過程がちょっとめんどうかも。)

↑絞ったものがこちら。

これを3cm位に切る。揚げは6mmぐらいの幅に切っておく。

後は、鰹と昆布のだし汁でひたひたにしたものに、みりん大匙1。醤油で煮ていきます。

醤油は、味見しながら好みの濃さに。

家は、甘めが好きなので、小さじ山一杯の砂糖を入れています。

見かけより、美味しい料理です。

“芋がら”は、味としては“ぜんまい”とも少し似ているような気がする。

ぜんまいを薄味にした感じでしょうか?(個人的感想)

栄養価が高いというのもいい。

今は、買うと高いもののようで、けっこうなお値段。

そうなのか・・・・、と。

祖母が作っていた自家製“芋がら”は、

子供の頃は貧乏の証しのように映って、

「おばあちゃん、もう戦争は終わったんだよ。

 時代は変わったんだよ」と、言っていた思い出も。

家の中で広げられていると、時代錯誤な感じがして。

でも、そうとばかりではなかったのだと、思いました。

あの味をもう一度だったのだと。

 

 

今日は、狼男から仙人への道の武内の実物を紹介しました。

毎日、コツコツと絵を描いています。

夫婦漫才に近い、おかしな夫婦の話を読んで下さった方

ありがとうございます。

このブログけっこう長文になって、

読むの大変かもと思っています。

話も飛ぶし・・・。(ペコリ)

 

 


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2 コメント

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Unknown (ともりん)
2021-12-11 14:35:37
車が楽しそうです。車ですから、走っているときがやっぱり楽しいのでしょうね。タイヤをぐんぐん回して「俺、どこまでも行けちゃうぜ!」と得意そうな顔をしています。
風が波打つ(色鉛筆作品643)の感じと似ているような気がしました。両方とも、風と車そのものが楽しそうにしていて、ダイナミックでにぎやかな動きを感じる作品です。

ヒロクニ先生、私の想像をはるかに超える狼男っぷりです。毛髪が豊かで、うらやましがる男性が多そうです。
舌を引き抜く童話は舌切り雀?と思いましたが、角を引き抜く童話はわからないです。狼だから、外国の童話でしょうか。ストーリーは衝撃的な内容を想像します。
地獄絵と童話を同じレベルで認識していることに驚きました。日本の童話(昔ばなし?)は結末が穏やかに感じますが、外国の童話は残酷なものが多いように感じます。地獄絵は海外の童話でしょうか。

ずいきの煮物、ヒロクニ先生が食べてくれて良かったです。あれだけ手間をかけて作ったずいき、見た目だけで「食べない」と言われちゃうと悲しいなあと思っていたのでした。
ずいきは子供の頃から食べていた、などの馴染みがないと「え、芋の茎を食べるの?」と思う方が多いかもしれないと思いました。美味しいので、食べず嫌いをせずに勇気を出して口にしてほしいと思います。
下準備もこれまた手間がかかりますね。からからにしなびたずいきが水分を吸ってぷっくらする姿は、かわいらしくて嬉しくなります。
手間はかかりますが、本来なら捨ててしまう芋の茎から作るので無駄がないし、乾物なので保存もきいて優秀な食材だと思います。
ずいきを芋の茎から自宅で作ってしまうさほりんは、すごいです。
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狼男でしょ。 (さほりん)
2021-12-12 12:28:43
コメントありがとうございます。
ここのところ、「狼男」とヒロクニさんのことを書いていましたが、本当に狼男でしょ。これで、女性を襲ったら、「赤ずきん」の狼です。頬のところからも毛が生えるのに驚きましたわ。この年齢で、ハゲていないので、そういう体質なんでしょう。自己肯定が強い人は、毛が多いらしいとも聞きます。

今回の絵には、純粋な楽しさがあって元気な感じが私もします。「俺、どこまでもいけちゃうぜ!」というお言葉、うまくいいますね。そんなノリの時があります。勢いがあるというか・・・。勢いというのは、エネルギーなんでしょうかねぇ。

ヒロクニさんは、あまり童話に親しんでいない人だから、荒唐無稽なことを言うのだと思います。「アンデルセン童話なんて嫌いだ」と言われたこともあります。角とかは、牛と間違えているような気もするのでが・・・。地獄絵というのは、寺等にたくさん残されていて、火あぶりや、舌を抜かれたり、針山を登らされるとか、そんな絵を見ていたのだと思います。外国にもあって、よく似た光景が描かれているので普遍的なものなのか?と私は思っています。ヒロクニさんの場合は、ヒロクニ脳内の童話のイメージでメチャクチャなんだと思います。それが、意表をついて可笑しい・・・。外国の童話は、けっこう残酷というか、筋にメリハリが効いているというか、話が容赦ない感じを私も受けます。仕返しが酷いというか凄い印象です。

「ずいき」は、食べてくれてホッとしました。ともりん、心配してくれてありがとう。確かに、手間をかけたのに「まずい」と言われたら、虚しくなっていたと思います。翌日、食べてくれた時に、「それ、栄養価がとても高いのよ!」と何度も言いました。「鉄分やミネラルが豊富で身体にとてもいいのよぉ!」とも。まだまだ、食べてもらわないといけないから。
こんな調子で、主人を洗脳します(笑)
コメント、ありがとう!
寒くなりました。猫達、皆元気でね。
ピーは、今、膝に乗ってます。
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