遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉(477) 小説 希望 他 惑わされるな 

2023-12-10 12:04:01 | 小説
            惑わされるな(2023.12.2日作)


 この世に存在し得ない 空虚な
 神という名の下 人間は
 どれだけの悪事 蛮行を繰り返し
 行って来た事か !
 神は 神 それを先導する者達の
 豪華 煌びやかな虚偽に満ちた
 衣装にしか過ぎない
 神が 苦悩 苦難に直接的
 救いの手を差し延べる事など
 あり得ない
 神の言葉 この虚偽 欺瞞に満ちた妄言に
 惑わされるな
 神はあなたが あなたの心の中で
 自身を律する糧として 秘かに
 育めばいい
 神は あなたの心の中に
 他者の妄言 繰り言 美辞麗句に
 惑わされるな


 
           
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              希望
                        
               見えたぞ 何が ?


               
              Ⅰ



 修二は店の人達の隙を見て、素早く棚のナイフを手にすると周囲を振り返った。
 誰も修二の行動を見ていなかった。
 修二はそのままショーウインドーを離れた。
 店の人達が追い掛けて来そうな気がして、夢中で人込みに紛れ込んだ。
 暫くは誰も追い掛けて来なかった。
 ようやく安心した。
 思わずポケットの中のナイフを握った手の中で弾ませた。
 自分が急に力を得た気がした。
 勝手知らないこの街で唯一、自分の力になってくれる物が出来たように思った。
 昨日、修二はこの街に来た。
 家は火事で焼けた。
 母親を焼き殺す心算で修二が火を点けたのだった。
 母親はだが、死ななかった。
 修二は母親の下を逃れ、家を飛び出した。
 持ち物は中学生時代に使っていた、白地が汚れて変色した薄汚い布地の肩掛け鞄一つだった。
 中には父と祖母が相次いで亡くなった時の香典、四万円余りとアイドル歌手、高木ナナに貰ったサイン入り色紙とポスター写真、それにサインを貰った時に買ったCDが入っていた。
「兄貴よう、見ちゃったぜ。なかなか好い腕してんじゃねえかよう」
 不意に背後から修二の肩をたたく者がいた。
 息を呑んで振り返った修二の側には、身体をすり寄せるようにして付いて来る男の姿があった。
 二十五、六歳の男だった。
 一見して、この街のワル(悪)らしい様子が見て取れた。
 十七歳の修二には男の態度も年齢も充分、威圧的だった。
 修二は男の言葉も無視して歩いた。
 息が詰まって身体が硬直した。
 男は修二の速度に合わせて付いて来た。
「兄貴のポケットに入ってんのはナイフだろう。あの店でかっぱらうのを見て たんだ。見事な腕前だったよ」
 男は修二をいたぶるのを楽しむかのように薄笑いを浮かべながら言った。
 修二はなお黙ったまま自分の足元に視線を落として足早に歩いた。
 きつく結んだ口元が修二の意地の強さを示していた。
「この辺りじゃあ、見ねえ顔だけどどっから来たんだ」
「うッせえな !」
 修二は突然、男に向き直って言った。
 襲い掛かるような言い方だった。
 男は修二の逆襲に驚いて咄嗟に身構えた。
 修二は立ち止まった男を残したまま歩き続けた。
 男はすぐに気を取り直して付いて来た。
「いい度胸してるよ。大したもんだ」
 男は薄笑いを浮かべてからかうように言った。
 修二はなお、男を無視して歩き続けた。
 小さく折りたたんだ鞄を小脇に抱えていた。
「だけど、お前よお、あんまり粋がってばっかりもいらねえぜ。俺が警察に訴えればお前なんか、たちまちブタ箱行きだよ。それでもいのかい」
 修二の身体に恐怖が走った。
 警察という言葉が心に突き刺さった。
 火事の後、修二は母親と一緒に警察の取り調べを受けた。
 幸い、物的証拠が無くて逮捕はされずに済んだ。
 母親自身が修二の企みに気付いていなかった。
 だが、修二の心の中ではその事実の払拭される事は無かった。
 警察への拒否反応は当然だった。
 修二はそれでもなお、たじろぐ気配を見せなかった。
 無言のまま歩き続けた。
「お前、何処へ行くんだ。行く所はあんのか ?」
 街は既に夕暮れの気配に包まれていた。
 ネオンサインの輝きが目映く眼に映った。
 修二には行き先の当てなど無かった。
「もし、行く所が無ければ、今夜、泊まる所を紹介してやってもいいよ。金なんか要んねえから、心配えしねくても大丈夫だ」
 修二は答えなかった。
「お前、家出をして来たんだろう。働く所が欲しければそれも紹介してやるよ。ちょうど、店員を欲しがってる店があっからよお」
 何時の間にか、街の裏通りに足を踏み入れていた。
 狭い通りを挟んで両側に様々な商店が雑多に軒を並べていた。
 
 間口、四間程の店の入口に、紺地に白く<味楽亭>と染め抜いた暖簾が掛かっていた。




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              takeziisan様


               秋の風景 花々 眼に染みます 
              それぞれが美しく毎年 テレビ画面などでも
              眼にしている光景ですが見飽きません 見る度に感 動します
              日本が誇れる自然の美しさだと思います
              当地の公園では既に冬の選定が行われ樹々は裸状態です
              もう少し四季の移り変わりの模様を見てみたいと思うのですが
              何か味気ない感じだけが残ります
              それにしても今年の冬のなんという暖かさ 自身の身体には楽でいいのですが
               16トン フランク永井の歌が耳に残っています
               小坂一也も確か亡くなりましたね みんな昔の思い出になってしまいました              
               川柳 やっばりtakezii川柳の方が面白い     
               同じように文字を並べているのですが そこに差が生じて来る
               この違いは何処から出て来るのか 物事の本質を深い所で捉える
               結局 その差なんでしょうね 浅い作品は面白いと思っても
               心に響いて来るものが薄い 力が弱いのですね
               入選作と読み比べいろいろ考えさせられました
               どうぞこれからも面白い川柳で 世相を皮肉りまくって下さい
                楽しみにしております
                何時も有難う御座います






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