遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉(273) 小説 ある女の風景(3) 他 鏡

2019-12-22 11:43:11 | つぶやき
          鏡(2019.10.24日作)

   世界 各国 各地 各地域 に 存在する
   伝統 文化 風習 行事 儀式 等々 は
   それぞれ その国 その地 その地域 の
   環境 風土 様々な 要因 要素 要件下
   生まれ 育ち 成立した もの
   現代の視点 現代的要素 要因 要件 のみで
   推し量り 一律 否定 消し去る 事は
   その国 その地 その地域が持つ 独自の
   伝統 文化 風習 行事 儀式 等々 生み
   育んだ 諸要素 諸要因 諸要件 を
   封じ込め 否定 棄却 するのと 同じ行為
   その国 その地 その地域 が それぞれ 持つ 
   環境 風土 等々 は
   伝統 文化 風習 行事 儀式 等々 を 生み
   育んだ 誕生証明書 その証明書 の
   否定 棄却 は 人類 人間 人
   人間社会 の 多種多様 複雑性 の
   否定 棄却 にも 通じる行為
   一つの行動 一つの行為 行ない は
   現代 昔 いつの時代に於いて も
   人の心を 映し出す 鏡
   せめて 人 人類 は 
   いつの時代に於いても その 鏡に
   良い影を 映し出したい ものだ


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          ある女の風景(3)

 志村昌弘はその時すでに社会人だった。ある大学教授主催のパーティでの事で、教授は若者達の国際感覚を養うという目的で、毎月の第三日曜日をパーティ開催日に充てていた。数多くの外国人や日本の若者達の中にあって、志村昌弘が格別、わたしの心を捉えたものがなんであったのか、今ではわたし自身にもはっきりと思い出せない。身長も学歴もとりたてて眼を引くものではなかったし、儀正しさ、優しさと言ったようなものも、飛びぬけていた訳ではなかった。常識的平凡さ、あるいはそのようなものが、当時、才気走ったと言われていたわたしの心を捉えていたたのかも知れなかった。人畜無害、何処となく当たりの柔らかな志村昌弘は、わたしの結婚という甘味な夢を包むオブラートであったのかも知れなかった。
 その志村昌弘を初めて紹介した時、父も母も反対した。志村昌弘に見る平凡さを両親は見抜いていたのかも知れなかった。
「いい人のようだけど、何か物足りない気がするわ」
 母は言った。
 父は格別の批評はしなかったが、気に入らないといった風情が明らかだった。
「でも、あの人、X商事で部長に眼を掛けられていて、エリートコースにいるのよ」
 わたしは得意気に言った。
 一流企業に勤めるエリート社員という名目は、結婚生活を幸福で包む花束のようにわたしには思えた。
 わたしは大学卒業と共に、その年の十一月に志村昌弘と結婚した。
 父も母もわたしが卒業と同時に婚約したい、と言った時には、当然の驚きを見せた。
「なにもあなた、そんな急ぐ事はないでしょう。お父さんの会社にだって、いい人は一杯いると思うわよ」
 母は言った。
 寡黙な父は敢えて口にはしなかったが、将来を期待している社員の何人かはいるらしい事は、母との日頃の会話の中で、わたし自身も薄々知っていた。父が、その社員達とわたしの結婚を望んでいたのかどうかは別の事としてではあったが。
「なんでそんなに急ぐんだ」
 父はそう言っただけだった。
 会社経営に打ち込む父は、日常の事は総て母に任せ、頼り切っていた上に、一人
娘としてのわたしに甘い面がないとは言えなかった。
 わたしはそんな父と母の反対にも関わらず、我を通した。志村昌弘が一流企業のX商事社員、と言う事もその我を通す事にあるいは、少しは影響していたのかも知れなかった。父の会社も小さいなりに、優良企業としてX商事に近い立場の仕事をしていた。
 志村昌弘との結婚式はそれなりに豪華に行われた。母も何度か志村昌弘に会う事で、少しずつではあっても人柄を知るようになり、その穏やかさを評価するようになっていた。
 わたしは結婚と同時に、わたしの夢見た日々にどっぷりと浸かり込み、何不足のない生活を満喫していた。それはまさしく、わたしの夢見た夢のような日々であった。だが、そんな日々が今、壊れようとしていた。

          三

 わたしは里見一枝に会うために鏡に向かいながら、改めてこの五年という歳月に思いを馳せた。この五年という歳月の中で得たものと失ったもの。
 失ったものの一つは紛れもない若さであった。鏡に向かいながらわたしは、明らかに今日まで、家庭の主婦としての立場を生きて来た自分を実感した。何度、化粧をし直しても昔のような洗練された軽やかさが出て来なかった。衰えた肌が、総ての化粧品の厚塗りを要求しているようで苛立った。濃い口紅の赤、強いアイライン、鏡の中に見る自分がまるで他人のようだった。
 それでもどうにか、ボロを隠し得たと思えた時にはほっとした。その間、ほぼ小1時間もかかっていた。泣きたい気持ちだった。

 里見一枝には、午後七時に原宿で会う約束をしていた。わたしはその前に、独身時代の気持ちに返って街を歩いてみたいという思いから、早めの午後三時に家を出た。
 国電、荻窪駅で電車に乗った。今の時刻、車内は空いていた。わたしは中程の座席に腰を下ろした。ショルダーバッグを肩から外し、腕を通したまま脇に置いた。
 窓から見る反対側のホームも、人影はまばらだった。気の抜けたような午後の倦怠に満ちた空気が読み取れた。それでもわたしには、軽い緊張感にも似たような思いがあった。原宿の雑踏や、里見一枝の事務所を思い、久し振りに新しい世界に触れる期待感、あるいは不安感とも言えるような感情で、気持ちが上ずりがちだった。
 電車が動き出した。わたしは車窓の外を滑ってゆく駅のホームに、見るともない視線を向けていた。
 電車は徐々に加速を付け、駅の柱や駅名の書かれた看板、大きな時計などをつぎつぎに後にずらしていった。わたしはそれらの動きを面白く思いながら、その動きに気を取られていたが、そのうちふと、過去に同じような光景のあった事を思い浮かべていた。



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          KYUKOTOKKYU9190様

          急行特急、相変わらず快走
          爽快ですね。今日はまた、別のお客さん
          人気上々、楽しんでいます

          木田麻衣子さん、わたしは篠原美也子という歌手を
          全く知りませんでした。あなたのディスクジョッキーを
          拝見していて、始めて名前を知りました。
          演歌、歌謡曲、シャンソン、ジャズなどには
          多少興味を持ち、知っているつもりでいたのですが。
          それにしても、詳しいですね。
          次回の放送お待ちしています。






     
   
   

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