遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉(505) 小説 希望(29) 他 一本の糸

2024-07-07 12:48:11 | 小説
            一本の糸(2024.6.22日作)



 一枚の布は 一本の  
 細い糸の 組み合わせ から生まれる
 それぞれに個性を持った 一本の糸
 その 細い 一本の糸が切れれば
 布はそこから 破綻してゆく
 それぞれに 個性を持った一本の細い糸 その糸が 
 不揃いであれば 美しい布は生まれない
 人の社会も同じ事
 人間一人一人が この世界
 世の中 社会を 構成する
 一人の人間の命が失われれば そこから
 家庭に 社会に 世界に 欠陥が生じる
 一人の人間が 社会の掟を破り
 勝手に行動すれば そこから秩序が乱れ
 世界が 社会が 家庭が 混乱する
 勝手気まま 自己顕示の 強い糸 強い人間
 一枚の布の美を損ない
 人間社会の秩序を損なう




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              希望(29)





「どうした 警察は ? 何も言って来ねえか」
 椅子に腰を下ろした北川にマスターは聞いた。
「ええ、まあね。チームの連中にまだ聞き廻っているみてえだけっど、どうって事はねえですよ」
 北川は自信に満ちて落ち着いた表情で言った。
「それより、マスター、頼みてえ事があんですけっど、聞いて貰えませんかね」
 北川は言った。
「なんだ ?」
 マスターは軽く答えた。
「宝石なんか捌けませんか」
「宝石 ? どんな宝石」
「指輪とかネックレスとか」
「持ってんのか ?」
 マスターは聞いた。
「いや、今、持ってる訳じゃねえんだけっど、ちよっと、金(かね)が欲しいんですよ」
「どっかへ侵入(へえん)のか?」
「ええ、まあ・・・・」
 北川は言葉を濁した。
「捌けねえ事はねえけど、でも、危ねえ橋は渡んねえ方がいいよ」
 マスターは諭す様に言った。
「それは分かってんだけっど、少し、金が欲しいもんで」
「何すんだ ?」
 腕組みしたままマスターは聞いた。
「ハーレーのでっけえのを買いてえんですよ」
 北川は言った。
「オートバイか ?」  
 マスターは軽い笑みを浮かべて言った。
「ええ」 
 北川は頷いた。
 マスターは里が知れた、という表情で軽い笑みを浮かべたまま何も言わなかった。
 北川はその様子をマスターの承諾と受け取ったらしかった。
 三日後、夜中の零時過ぎに修二を訪ねて来た。
 一人だった。
 十分程前に電話をして来ていた。
 来る理由は言わなかった。
 修二は、うっせえ奴だ、とだけ思った。
 多分、マスターに話していた事と関係があるのだろうと推測した。
  矢張り、その事で北川は訪ねて来た。
 時計、宝飾品店に押し入って、時計や宝飾品を奪う計画を修二に打ち明けた。
「店はブラックキャッツのエリアにあるんだ。だもんで、犯行の目くらましには都合がいい。普段、俺達があっちへ行かねえ事は警察もよく知ってるしな。それに俺の他には鳥越が来るだけだから、外に漏れる心配えもねえんだ。金は三人で山分けするよ。お前(め)えは何もしなくていいから、見張りだけしていてくれればいい。後の仕事は俺と鳥越ですっから」
 北川は最初から修二が受け入れるものと思っているらしかった。
「店は六十過ぎの親父と婆さんの二人でやってる小っちゃな店なんだけっど、物は良いものが揃ってる。それにバス通りからも離れてるし、夜は七時には閉めちゃうんだ」
 修二は黙って聞いていたが、気持ちは最初から離れていた。
 真っ先に浮かんだのは、マスターに対する思いだった。
 もし、何かがあった場合、マスターに二度も三度も迷惑を掛ける事になってしまう。
 北川が一息入れる様に修二から視線を外してポケットに手を入れ、煙草を取り出した時に修二は言った。
「でも、俺、そんな事したくないよ」
 その言葉に北川は耳を疑う様な表情を見せて、
「なんで ?」
 と、言った。
「前の事もあるし、それに店にも迷惑を掛けたくないから」
 修二はぼそりと言った。
「大丈夫だってば。店に迷惑を掛ける様な事はしねえよ。それに、マスターも品物は捌いてくれるって言うんだから」
「それとこれとは違うよ」
 修二は強い口調で言った。
「なんで ?」
 北川は不満そうな口振りでまた言った。
「いいか、お前えよう、考げえてもみろよ。もしもの事があった時、この前えの傷害事件はお前えがやったんだって言いふらす奴が出て来ねえとも限らねえぞ。今は俺達がみんなを抑えていて、何も言わねえ様にしてるんだけっど、俺や鳥越の抑えが無くなれば直ぐに喋る人間が出て来て、たちまちお前えは警察に捕まっちゃうぞ。そっでもいいのか。それこそ、店に迷惑を掛ける事になっちまうぞ」
 北川は脅迫的な口調で言った。
 修二は言葉が出なかった。
 嵌められた、という思いだけが募った。
 北川は修二が言葉も無く黙っていると、口に咥えた煙草に火を点けて言った。
「兎に角、お前えには危ねえ真似はさせねえよ。ただ、ナイフを見せて見張っててくれさえすれば、そっでいいから。要するに物さえ盗れればいいんだから。ナイフを使う必要もねえんだ」
 もし、この話しを断った時、北川はどうするだろう ?
 前の傷害事件は俺が犯人だと言い触らすだろうか ?
 考えると不安だった。
 修二は確認した。
「俺は何もしなくていいのか ?」
「ああ、構わねえよ」
 北川は言った。
「それで、三人で分けるのか ?」
「そうだ」
 どれだけの金額になるのか分からなかったが、少なくとも、少ない金額ではない事だけは想像出来た。
 修二はそれでも「うん」とは言わなかった。黙ったままだった。
 北川は修二の言葉の無い事をまたしても、承諾と受け取ったらしかった。
「詳しい計画が出来たらまた来るよ」
 北川はそう言って帰って行った。

 北川が犯行計画の詳細を持って来たのは六日後だった。
 鳥越も一緒だった。
 鳥越は修二を見ると、
「おう、元気か」
 と言って、仲間意識に満ちた笑顔を向けた。
 あの事件以来、初めての顔合わせだった。
 北川は修二の部屋へ入ると直ぐに計画の説明を始めた。
  



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               takeziisan様


                猛暑の中での農作業 カメラを持っての散策
               どうぞ お身体に気を付けて下さい
               野菜の収穫 ブルーベリーのお裾分け 豊かな生活環境が偲ばれます 
               羨ましい限りです 昨年もブルーベリーのお裾分け
               ありましたね
                それにしてもハクビシン イノシシ 豊かな自然であればこそ と思っても
               御苦労は絶えませんね
                トウモロコシも順調な様に拝見しました
                月見草 チガヤ―ツバナと呼んでいましたが 
               懐かしい風景です 思い出します
               思い出すと言えば 星空 わたくしの方でも見事な星空でした
               当時はネオンも無く 電灯の明かりも乏しく
               暗い夜空いっぱいに広がった星空の見事だったこと
               その中を天の川銀河が横たわり 今思うと夢の様な世界です
                名曲アルバム じょんがら節 澤田勝秋
               懐かしい名前です
               それにしても民謡はそれぞれの他方のその地に根差したところから 
               自然発生的に生まれた歌で それぞれに魅力があり
               明るい歌には明るい歌の 静かな歌には静かな歌の 
               それぞれの魅力が詰まっていて どれが良いなどとは言えませんし
               結局は 個人の好みという事にでもなるのでしょうか
               以前にも書きましたが 刈り干し切り唄は南部牛追い歌 と共に
               最も好きな曲の一つです 母が亡くなって三回忌の法要の時
               会食の席で民謡好きの母への供養と思いこの歌を唄いました
               みんなは母の跡を継いで民謡をやれば と言ってくれましたが
               ただ ブログにある唄の三番の歌詞がちよっと違っています
               わたくしが唄った歌詞は六番まであって 三番は
                秋も済んだよ 田の畦道(くろ)道をよ
                あれも嫁じゃろ エー日も五ッよ 
               となっています 
               でも この違い 唄う人によって 地域によって少しずつ異なる
               これが民謡の良さだと思います
                いろいろ興の赴くまま 長々と詰まらない事を書いてしまいましたが
               今回もいろいろ楽しませて戴きました
                有難う御座いました









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