(昨日の夕方)ルノアールに小一時間いる。頼んだのはホットココア¥610-
何人かがPCを立ち上げている。私も同様にPCを起動する。
しばらくすると、少し離れた席で
「初めまして…………、これ、入ってください、とは言いません」
見ると、可愛い一人の女の子が明るい声で二人の男性を前に話を始めた。こちらからは、男性の後ろ姿しか見えない。たぶん、二十代後半くらいかな?
私はPCの中を眺めながら、やらなければならないことを進める。
「まさに画期的なシステムで、……例えば一人勧誘して入れると……、その生徒は月謝¥6300-ですから、そんなに負担になる金額じゃないですよね?」
断片的に聞こえてくる会話を、盗み聞くような感じで耳を立てる。
「一億円も夢じゃない……、いえ、二億円、三億円……」
聞いてる側、大人しそうでどこか騙されそうな雰囲気のある男たち。ただ、「はー」「そうですね」とか、ボソボソと喋る声しか聞こえてこない。
なにか、その話に心酔しているのか、断りたくても言い出せないでいるのか、薄い笑いの横顔が見えてくる。
私は、「これ、入ってください、とは言いません」の初めの言葉が印象的に残った。
きっと、この二人「火を見るより明らか」のような気がする。
ふと、……これ、ネズミ講?