
そのおじさんがマスクをはずした。
すると、くしゃみを思い切りした。

飛沫があたりに飛ぶ。ドアのガラスにアメーバーのような異様な形状物が付着……。
気が済んだのか、ふー、といって再びマスクをする。
なんだ? なんだ? このおやじ。

二駅くらい過ぎた。またマスクをはずす。
またか?
ゴホンゴホン、終いには、ゴボッ、ゴボッ

しばらくして、ふー、といってマスクをする。
花粉症でなく、風邪なのか?

可愛そうにと思う反面、どうしてマスクはずすの? と単純な疑問がわく。
マスクの本来の定義を忘れているようだ。

飛沫感染を恐れる私はしっかりとマスクでガード。
さらにその瞬間だけでもと息を止める、も、度が過ぎてクラーっとする。

朝の電車は、いろいろある。

