今日は起きると、外は真っ白のもや。5メートル先が見えない。
確か、地上と上空の温度差から発生すると聞いたことがある。
朝もやの煙る田舎の自宅を出ていつもの電車に乗る。
予想通り、ノロノロ運転。眠っている者、本を読んでいる者、携帯画面を見ている者、いろいろだ。いつもの倍はかかっているだろう。
すると、「ただ今急病人が出ましたので、救護いたしております。しばらくお待ちください」
車内はシーンという静けさから急に慌ただしさに一変する。
携帯を取り出す者が俄かに増え、あちこちで一斉に話し始めるのが聞こえてくる。
「今日濃霧で電車が遅れてて、そして電車の中で急病人が出て、ずーっと30分以上停車してるんですよ。……遅れますので、すいません」
――30分は停車してない。まだ五分だよ、と、心の中で苦笑いする。
こんな声もあった。
「この忙しい時に何で急病になるんだよ」
――それは違うんじゃないか? 急に具合が悪くなる人だっている。それをそういう目で見るのはおかしい、労われ!! と、これも心の中で憤慨する。
表向きは男の恰好した弱いぐーちゃん、口に出して言えないのが、たまに傷。
確か、地上と上空の温度差から発生すると聞いたことがある。
朝もやの煙る田舎の自宅を出ていつもの電車に乗る。
予想通り、ノロノロ運転。眠っている者、本を読んでいる者、携帯画面を見ている者、いろいろだ。いつもの倍はかかっているだろう。
すると、「ただ今急病人が出ましたので、救護いたしております。しばらくお待ちください」
車内はシーンという静けさから急に慌ただしさに一変する。
携帯を取り出す者が俄かに増え、あちこちで一斉に話し始めるのが聞こえてくる。
「今日濃霧で電車が遅れてて、そして電車の中で急病人が出て、ずーっと30分以上停車してるんですよ。……遅れますので、すいません」
――30分は停車してない。まだ五分だよ、と、心の中で苦笑いする。
こんな声もあった。
「この忙しい時に何で急病になるんだよ」
――それは違うんじゃないか? 急に具合が悪くなる人だっている。それをそういう目で見るのはおかしい、労われ!! と、これも心の中で憤慨する。
表向きは男の恰好した弱いぐーちゃん、口に出して言えないのが、たまに傷。