九月の太陽が創りだすあらゆるものの影の長さは、八月とは明らかに違う。
今日の朝、真夏の余韻を残す日差しが、威風堂々と池袋に降りたった僕の額を照らしだしてくる。
真夏の余力を感じさせる日差しから逃げるように、僕は日陰を捜し求め歩く。
…………な~んて、浸っている場合じゃない。
子供の頃、足の裏に魚の目が何度かできたことがある。
これが結構痛い。……気になる。
でも、このかたウン十年、できたことがなかった。
一週間ほど前から、足の裏に小さな痛みを感じるようになる。
ま、大したことはないので放っておいた。
しかし微妙に気になる。
徐々に気になる度合いも増してきたので、足の裏を見る。
硬くなった皮膚が少し盛り上がり、中心部分に何やらプツンと芯のようなものがある。
間違いない。
で、なんとかなんとかというキズテープのような薬をその患部に貼る。もう、四日くらい経つ。少し、ポニョポニョしてくる。
うん? ポニョ? 崖の上のポニョ? やばい、早く観に行かなくっちゃー。