『悪名波止場』(63)
日本映画専門チャンネルで、今東光原作の『悪名』シリーズを放映している。朝吉(勝新太郎)と清次(田宮二郎)が、女たちを食い物にする麻薬密売組織・鬼瓦組を相手に大暴れするこの映画は第7作目で、監督は森 一生、脚本は依田義賢。
鬼瓦組の社長に伊達三郎、その子分の鬼瓦の吉に吉田義夫。2人の悪役ぶりが楽しい。ラストの2人への“仕置き”には笑った。また、おなご舟の親分、清川虹子のほか、滝瑛子、藤原礼子、弓恵子といった渋い女優たちが助演する。
広島の宇品港が舞台になっており、朝吉の河内弁とは対照的に、伊達や吉田をはじめ、皆広島弁で話すのだが、いつもは言葉にうるさい広島出身の妻が「みんなちゃんとしている」と感心していた。いわゆるプログラムピクチャーだが、こういうところはきちんとしていたということか。