『レオン』(94)(1996.11.)
話題のリュック・ベッソン監督作を、遅まきながらテレビで見た。
ジャン・レノ演じる一匹狼の殺し屋レオンとナタリー・ポートマン演じる少女マチルダとの、あたかも道行きのような愛の姿は、『シベールの日曜日』(62)をほうふつとさせ、『グロリア』(80)の逆パターンのようでもあり、なかなか面白かった。
ところが、ゲイリー・オールドマン(うまいんだけど…)の悪徳警官を絡ませるとちょっと話が違ってくる。そのため、手放しでは乗り切れないところがあったのが残念だった。
ところで、この映画のキーとなる小道具は、レオンが大事にし、マチルダが引き継いだ鉢植えなのだが、ローレンス・カスダンの『フレンチ・キス』(95)で、ケビン・クラインが大事にしてフランスに持ち帰った葡萄の苗は、この映画に対するパロディだったのでは? などと思ってしまった。