『ラブ・オブ・ザ・ゲーム』(99)(2000.2.18.渋谷東急3)
デトロイト・タイガースの名投手ビリー・チャペル(ケビン・コスナー)は、シーズン最終登板の日に、オーナー(ブライアン・コックス)から、球団の売却とトレード話があることを聞かされ、引退を勧められる。さらに、恋人のジェーン(ケリー・プレストン)からは別れを告げられる。チャペルは、複雑な思いを抱きながらニューヨーク・ヤンキースとのゲームに臨むが、思わぬ好投を披露し、完全試合が見えてくるが……。
原作はマイクル・シャーラの遺作『最後の一球』。97年に刊行されたハヤカワ文庫の帯に「ケビン・コスナー主演映画化!」とあるので、映画の完成までは随分と時間がかかったことになる。
監督は『死霊のはらわた』(81)などスプラッターホラーを得意としたサム・ライミ。この映画で、普通の映画も撮れることを印象付けたが、原作の方が主人公の心理をきめ細かく描いていた。
野球好きで知られるコスナーは、『さよならゲーム』(88)『フィールド・オブ・ドリームス』(89)に続く、野球映画への出演となったが、今回もベテラン投手を巧みに演じている。
投手はマウンド上でこんなことを考えているのか、という興味にも増して、チャペルが、自ら「集中」と言い聞かせ、観客の声や球場内の様々な音を「シャットアウト」して無音にする描写が印象に残った。
【今の一言】コスナーの相手役を演じたプレストンは2020年に亡くなった。
「映画で見る野球 その2」
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