田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『ズーム/見えない参加者』

2021-01-12 17:51:54 | 新作映画を見てみた

『ズーム/見えない参加者』(2021.1.12.オンライン試写)

これを“映画”と呼んでいいのか…

 ロックダウンされたイギリスを舞台に、Zoom(ズーム)を介して死者と交信を行う「Zoom交霊会」を始めた6人の男女が、次々と不可解な現象に見舞われる姿を描く。新型コロナウイルスによる外出自粛などで世界的に広まったWEB会議ツール「Zoom」を題材にした新感覚ホラー。

 『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(99)『パラノーマルアクティビティ』(07)のような、ドキュメンタリー映像のように見せかけて演出したモキュメンタリー映画の一種。全てがパソコン画面で展開する『search サーチ』(18)があったが、この映画も、ほぼ全編がZoomの画面内で進行する。

 オンライン試写で見たので、まるで自分もZoomに参加しているような妙な気分になった。ただ、アイデアは面白いが、果たしてこれを“映画”と呼んでいいのか…という疑問が頭をもたげる。

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『邦画の昭和史-スターで選ぶDVD100本-』(長部日出雄)

2021-01-12 07:11:26 | ブックレビュー

 第1章:戦後のスーパースターを観るための極め付き三十五本「初めにミフネありき」「裕次郎のスタイル」「待ってました、健さん」「鶴田浩二のディレンマ」「菅原文太の多面的な立体感」「遊びを謳歌する森繁、加山、植木」「座頭市の勝、眠狂四郎の雷蔵」「寅さんこと渥美清」

 第2章:不世出・昭和の大女優に酔うための極め付き三十六本「吉村公三郎のピース缶」「原節子の気品」「独身を通した小津安二郎」「そして昭和の伝説と化した」「田中絹代の苦悩と絶望」「絹代に恋した溝口健二」「成瀬巳喜男のマジック」「高峰秀子のプロ意識」「杉葉子の水着姿」「ミス日本・山本富士子の黒髪」「京マチ子から松坂慶子まで」「佐久間良子の唇」「若尾文子の奇妙な笑顔」

 第3章:忘れがたき名優たちの存在感を味わう三十本「森雅之のサングラス、宇野重吉の松葉杖」「杉村春子の前掛け」「伊藤雄之助とキャベツ」「骨太の岡田英次と繊細な木村功」「仲代達矢と中華まんじゅう」「一匹狼の佐藤慶」「ダボシャツの小沢昭一」「上原謙、池部良、笠智衆」「天才・フランキー堺」「柴田恭兵の最高の笑顔」

 『小説新潮』に連載されたものをまとめたもので、監督や作品ではなく、スターを軸にして戦後日本映画史を語っている。全体的には、多少独善的なところも見受けられるが、映画記者時代に垣間見たスターや監督の逸話はなかなか面白かった。

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