田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『ビバリウム』

2021-03-05 09:21:19 | 新作映画を見てみた

ただ家が欲しかっただけなのに…

 新居の購入を考えているトム(ジェシー・アイゼンバーグ)とジェマ(イモージェン・プーツ)は、不動産屋のマーティン(ジョナサン・アリス)から、全く同じミントグリーンの家が建ち並ぶ住宅地「ヨンダー」の9番地を紹介される。

 内見を終えて帰ろうとすると、マーティンは車を残したまま姿を消していた。仕方なく2人は自力でヨンダーからの脱出を試みるが、何をしても9番地に戻ってきてしまう。戸惑う彼らのもとに、段ボール箱が届く。中には赤ん坊が入っており、彼らは訳も分からないまま世話をすることになる…。

 いかにも「ミステリーゾーン=トワイライトゾーン」「世にも奇妙な物語」のエピソードに出てきそうな、不条理サスペンススリラー劇。タイトルは、生物の飼育・展示用の容器のことらしい。

 見ながら、何が何だか分からないまま迷宮に陥ったトムとジェマと同じように、絶望感や焦燥感に捉われ、何とも嫌な気分にさせられるのだが、この後一体どうなるのか、この不思議な現象の理由は? という興味が湧いて、ずるずると見る羽目になる。結局分かったような分からないような落ちが付き、もやもや感が残るのだが、そこが作り手たちの狙いなのだろう。

 こういう映画は、シーンの意味を深く意味を考えたり、ストーリーを追ってはいけない。そもそも作り手たちが、分かりやすく…などということは一切考えずに作っているのだから。謎が解けなくて当然なのだ。

 この映画が持つ、奇妙な感覚や味わい、色遣いなどのデザインは、甚だハリウッド映画らしくないと思いきや、監督のロルカン・フィネガンと脚本のギャレット・シャンリーはアイルランド出身で、アイルランドとデンマーク・ベルギーの合作として製作されたとのこと。然もありなん。

 同じくアイゼンバーグが主演した『嗤う分身』(14)やドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『複製された男』(13)のことを思い出した。

『嗤う分身』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/4d5d72ee000dcbece541e82fc77164d9

『複製された男』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/ce93ed6e64a26fbe3767e38cec0fabf7

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「金曜ロードSHOW!」『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』

2021-03-05 07:36:09 | ブラウン管の映画館

 今夜の「金曜ロードSHOW!」は『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』。
こちらも、いろいろと取材させてもらった。

【ほぼ週刊映画コラム】『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b885ae41449a41fec194ae0ad9b1ab9d

【インタビュー】『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』オールデン・エアエンライク
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/d64a7ebaa02b7b90fdef818b0271213d

【インタビュー】『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』ロン・ハワード監督
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/034b9b32ed126b9e8c531d8a4ab698f0

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「BSシネマ」『ガンヒルの決斗』

2021-03-05 07:14:17 | ブラウン管の映画館

『ガンヒルの決斗』(59)

『七人の無頼漢』『ガンヒルの決斗』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/f0ac8bef80ce5154e1369d092126d3e4
ジョン・スタージェスのことを
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/f68e684a8122d31213e80c6fa92023be

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