田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

超一流が選ぶ世界の衝撃ダンス『ホワイト・ナイツ/白夜』ほか

2021-03-06 22:00:53 | 映画いろいろ

 「中居正広のダンスな会 超一流が選ぶ世界の衝撃ダンス」という番組で、改めてマイケル・ジャクソンのすごさを知らされた。また、フレッド・アステアやバズビー・バークレーは紹介されていたが、ジーン・ケリーが出てこなかったのは、ちょっと寂しい気がした。そして、バレエダンサーの熊川哲也がこの映画を選んでいたのが少々意外だった。

『ホワイト・ナイツ/白夜』(85)(1987.1.5.)

 ソ連からアメリカに亡命したバレエダンサー、ニコライ(ミハイル・バリシニコフ)が乗る旅客機がソ連空軍基地に不時着。KGBによって再び自国に引き戻されたニコライは、アメリカから亡命してきた黒人ダンサー、レイモンド(グレゴリー・ハインズ)とその妻(イザベラ・ロッセリーニ)に監視されることになるが…。

 タップダンサーのハインズとバレエダンサーのバリシニコフによるダンス競演が見どころで、アカデミー歌曲賞を受賞したライオネル・リッチーの「セイ・ユー、セイ・ミー 」と、同じく候補となったスティーブン・ビショップ作詞・作曲、フィル・コリンズとマリリン・マーティンが歌った「セパレート・ライブス」が聴きどころ。

 ただ、テイラー・ハックフォード監督は、『愛と青春の旅だち』(82)『カリブの熱い夜』(84)同様、どうも物事の上辺というか、カッコ良い部分を強調し、音楽でうまくごまかすところがある。いわばミュージックビデオ向きだ。それ故、映画をファッションのように見る連中には受けるのだろう。

 それにしても、アメリカが描くソ連の姿は、「ロッキー4/炎の友情」(85)同様、あまりにも一方的過ぎて、見ていて悲しくなってくるところがある。米ソ関係の悪化がそうさせるのだと言ってしまえばそれまでだが、どちらがいい悪いという極論ではなく、対等の立場の同じ人間同士として描くことも可能なはずである。独り善がりや一方的な主張ではない、そんな希望のある映画が見てみたいと思う。

「セイ・ユー、セイ・ミー 」(ライオネル・リッチー)
https://www.youtube.com/watch?v=we0mk_J0zyc

「セパレート・ライブス」(フィル・コリンズ&マリリン・マーティン)
https://www.youtube.com/watch?v=PgPthI5Rbkw

マイケル・ジャクソン『ムーンウォーカー』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/466c959bf8cba805249cc3c4978a93ba

 また、土屋太鳳がダンスについて熱く語っていたが、以前彼女にインタビューした時、アクションについて熱く語っていたことを思い出した。

【インタビュー】『るろうに剣心 京都大火編』『るろうに剣心 伝説の最期編』土屋太鳳
「操の心情がアクションに出るように頑張った」
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/885502

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バディムービー『ナイス・ガイズ!』

2021-03-06 14:47:48 | 映画いろいろ

この映画のことも紹介されていた。

『ナイス・ガイズ!』(16)


https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/5d30810aa1fd42a21b9d7401c890b86e

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『リーサル・ウェポン3』

2021-03-06 14:03:11 | 映画いろいろ

『リーサル・ウェポン3』(92)(92.12.3.丸の内ルーブル)

 このシリーズ、最初はメル・ギブソンとダニー・グローバーの二人芝居が主だった。それが『2』ではジョー・ペシを加えて三人芝居となり、この『3』ではさらにレネ・ルッソを加えて四人芝居とした。

 加えて、部長(スティーブ・ケイハン)やグローバー扮するマータフの家族といった、レギュラー陣に対する比重も増えてきて、昔のエド・マクベインの「87分署」シリーズのような、警察群像ドラマを思わせ、そこが新たな魅力になっている。

 とはいえ、この映画では、いきなりビルの大爆破という、派手な場面でスタートし、その後もドンパチが続くのだが、リチャード・ドナーらしく、人間模様とドンパチのバランスをうまく取っている。

 こんなふうに、核の2人を中心に、どんどん広がりを見せていく展開ならば、シリーズを見続ける楽しさも湧いてくる。ただし、そこにはレギュラー陣の参加が不可欠であり、やがてマンネリという敵とも闘うことになる。まあ、いくら何でも寅さんのようには続かないだろうが…。

 

『リーサル・ウエポン4』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/610f1171aad777940393260c4959dc1e

【今の一言】最近、存命のドナーが監督をする『5』の製作が噂に上ったが…。

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『リーサル・ウェポン2 炎の約束』

2021-03-06 14:00:03 | 映画いろいろ

『リーサル・ウェポン2 炎の約束』(89)(90.4.9.)

 まさに、大流行の“続き物映画”の一翼を、このシリーズが担っているのは間違いないが、最後の闘いのシーンは、日本の任侠映画の最後の斬り込みを思わせ、いささか鼻に付いた。とは言え、任侠映画とは違い、ラストに2人でにっこり、というのが、いかにもアメリカ映画ではあるのだが…。

 だが、こうも次から次へと続き物が作られると、一体最初の映画は何だったんだ、という引っ掛かりを覚える。しかも『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』のように、公然と『3』の予告編まで見せられると、「これでは、まるでテレビシリーズを映画館で見せられているみたいじゃないか」といった怒りや悲しさも感じる。

 では、寅さんはどうなんだ? と聞かれたら、それはそれで困るのだが、あれはあくまでも日本映画の貧弱な現状が作らせているのであって、映画の本場ハリウッドともあろうものが、いくらビデオの台頭があるからと言って、日本映画のようになってしまってはいけないのだ。

 などと、図らずもこの映画に、そうした最近の傾向に対する嘆きをぶつける形になってしまったが、これも時代の流れで仕方がないことなのだろう。実際、作れば客は入るのだし…。

 そんなこの映画は、監督のリチャード・ドナーと主役の2人が続けて参加したことに加えて、“第三の男”を軽妙に演じたジョー・ペシの存在が大きい。また、随所に流れるエリック・クラプトンの泣きのギターもちょっとした聴きものだった。ちなみに、エンドクレジットに流れるのは、ジョージ・ハリスンの「チア・ダウン」。この2人は、相変わらず仲がいいようだ。

Cheer Down
https://www.youtube.com/watch?v=X6lKrXx7LWY

【今の一言】「マーベル」や「DC」シリーズなどが想像もできなかった頃の嘆き節。

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『リーサル・ウェポン』

2021-03-06 13:39:16 | 映画いろいろ

 今日の「王様のブランチ」の映画コーナーは「バディムービー」特集。その中で紹介されていたのが、この映画だった。

『リーサル・ウェポン』(87)(87.12.2.)

 監督は『スーパーマン』(78)のリチャード・ドナー、主演は『マッドマックス』シリーズのメル・ギブソンと、最近の活躍が目覚ましいダニー・グローバー、という異色の顔合わせがまず目を引く。

 そして、この映画を単なるアクション映画に終わらせなかったのは、またしても、ベトナム戦争を引きずったアメリカの影の部分が描かれていたからであり、同時に、事件を追いながら白人と黒人の刑事の間に友情が芽生えるという、『夜の大捜査線』(67)をほうふつとさせるような形も描かれていたからだろう。

 その『夜の大捜査線』からの20年の間に、もはや黒人がある程度の地位を得て、普通の生活を営む姿に何の違和感もないという変化があった。そう感じるのは、ギブソンを完全に食ってしまったグローバーの好演によるところも大きい。ベトナムの影はいまだ消えないにせよ、明らかに時代は変わってきているのだ。

 また、『フレンチ・コネクション』(71)を例に出すまでもなく、いくらアクションシーンが優れていても、ストーリーがしっかりしていなければ、映画としては成功しない。その点では、ドナーのジャンルを問わないしたたかな演出力も大いに評価すべきだろう。

【今の一言】もう今から35年も前なのか…。

 

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『トムとジェリー』

2021-03-06 08:37:39 | 新作映画を見てみた

今こそ、こういう映画が必要

 1940年にウィリアム・ハンナ&ジョセフ・バーベラによって創作された「トムとジェリー」が、誕生から80周年を迎えて実写映画化された。アニメーションで描かれたトムとジェリーと動物たちが俳優陣と共演する。実写とアニメの融合という意味ではとてもスムーズで、『ロジャー・ラビット』(88)の頃に比べると格段に進歩していると感じた。

 経歴を偽造し、ニューヨークの高級ホテルの新人スタッフとなったケイラ(クロエ・グレース・モレッツ)。そのホテルでは、世界が注目するセレブカップルのウエディングパーティが行われようとしていたが、トムとジェリーのせいで台無しになってしまう。ケイラは、もう一度パーティを行うことを提案するが…。

 ネズミの出現でホテルが大騒ぎに…というのは、去年公開されたロバート・ゼメキスの『魔女がいっぱい』とも重なるし、あまり新味はない。俳優陣では、敵役のマイケル・ペーニアと花婿役のコリン・ジョストが頑張っていた。それにしても、いつものパターンだが、ジェリーは本当に嫌なやつで、何だかトムが哀れに思えてくる。

 たわいない、何も考えずに笑って見られる能天気なハリウッド映画の典型だが、近頃、コロナ禍のせいでこの手の映画がほとんど公開されず、渋くて考えさせられるような映画ばかり見ているので、何だか貴重なものを見たような気になった。今こそ、こういう映画が必要なのかもしれない。

「トムとジェリー展」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/99f1697608ac913616628e1fe20d4c02

『さよなら、僕のマンハッタン』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/42b2f104ef51c84250d4fd6eaf6a191e

 

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