田中雄二の「映画の王様」

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『映画の森』「2021年1月の映画」転載

2021-03-10 13:24:05 | 映画の森

「KyodoWeekly」1月25日号から「映画の森」2021年1月の映画」共同通信のニュースサイトに転載。


https://www.kyodo.co.jp/national-culture/2021-03-10_3598340/

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『アンモナイトの目覚め』

2021-03-10 08:36:23 | 新作映画を見てみた

ストレートに物が言えないもどかしさ

 舞台は、19世紀イギリス南西部の海沿いの町ライム・レジス。古生物学者のメアリー・アニング(ケイト・ウィンスレット)は、かつて発掘した化石が評判を呼んだが、今は忘れられ、観光客の土産物用のアンモナイトを採掘して細々と生計を立てていた。

 ある日、メアリーは、裕福な化石収集家の妻でうつ病を患ったシャーロット(シアーシャ・ローナン)を預かることとなる。始めは、美しくかれんで奔放なシャーロットの存在にいら立ち、冷たく接するメアリーだったが、次第にシャーロットに引かれていく感情を抑え切れず…。

 メアリーは実在した人物だが、彼女が同性と恋愛関係を持つというのは全くの創作とのこと。フランシス・リー監督自身はゲイで、未見の『ゴッズ・オウン・カントリー』(17)では、引かれ合う2人の青年の姿を描いているというから、その意味では、前作がコインの表(男同士の恋愛)だとすれば、この映画は裏(女同士の恋愛)で、彼の中では対を成すものなのかもしれない。そして、この場合、アンモナイトがエロスの象徴なのだろう。

 男の視点で撮られたレズビアン映画は、どうしても好奇心やエロ目線の方が優先するところがあるのだが、例えば、同じくゲイのトッド・ヘインズが監督し、ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラが共演した『キャロル』(15)同様、この映画も、微妙な表情や目線で感情の揺れや相手への思いを繊細に表現している。ただ、互いの感情が高まったセックスのシーンは執拗で結構激しい。そうした対照的な描写は、やはり監督自身のセクシュアリティに起因するのだろうか。

 ウィンスレットの崩れた熟女の魅力、対するローナンの若さとかれんさ。対照的な2人の関係は十分にエロチックに映った、などと言うと、これも性差別につながるのだろうか。最近は、この手の映画が増えたが、それに対してストレートに物が言えないもどかしさを感じる。

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「BSシネマ」『チャップリンの独裁者』

2021-03-10 07:18:59 | ブラウン管の映画館

『チャップリンの独裁者』(40)

最高の憎悪の映画
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/10d758ea7fd15dc202fd7043d5adfec4

二役映画
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/3e6355fbae9437b4f217615ce022db4a

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