田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

【インタビュー】『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』デイジー・リドリー

2019-12-20 10:22:20 | インタビュー

「レイが模索した答えが本作で明かされます」
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1208325

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『珈琲城のキネマと事件』(井上雅彦)

2019-12-20 09:33:42 | ブックレビュー
 ホラーアンソロジストとしても知られる筆者による連作短編ミステリー。
 
 
 都内・茗荷谷近くの某所、元は名画座だった喫茶店に集うのは、珈琲と映画、そして謎を愛する常連たち。彼らが不可思議な事件の真相を、映画への深い造詣を基に、論理的に解き明かしていく。
 
 登場する映画は、『狼男』(41)『フランケンシュタインと狼男』(43)『モダン・タイムス』(36)『サイコ』(60)『宇宙戦争』(53)「ウルトラQ」(66)『ノスフェラトゥ』(22)『恐怖の足跡』(62)『回転』(61)『ロッキー』(76)『あの胸にもういちど』(68)「新・座頭市」(76)『事件記者 時限爆弾』(60)『スペシャリスト』(94)『コンスタンティン』(05)
 
 映画もミステリーも好きな自分としては、続編が読んでみたいと思ったが、これは、相当な映画好きならともかく、そうではない者にとっては、いささか趣味性が強過ぎて敷居が高いと思われる。また、専門家と称される常連者たちを、<特別捜査官>さんだの、<婦人記者>さんだのと、いちいち<>付きの肩書きで呼び合うところも少々鼻についた。
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『クリフハンガー』

2019-12-20 09:07:38 | 映画いろいろ

『クリフハンガー』(93)(1994.4.7.渋東シネタワー2)

  

 ロッキー山脈に不時着した武装強盗団と山岳救助隊員のゲイブ(シルベスター・スタローン)との戦いを描く。
 
 冒頭の宙吊り(クリフハンガー)シーンであっと驚かされたものの、タイトルのもう一つの意味である「手に汗握る連続活劇」という点では、残念ながら、それが全編にわたって…とはいかなかった。また、『ランボー』シリーズほどではないにしろ、スタローンのあまりのスーパーヒーローぶり(雪山なのにTシャツ一枚で大活躍!)に、疑問が残るのは否めない。
 
 この映画のプロデューサーのマリオ・カサールによれば、最近のスタローンが、似合わないコメディで四苦八苦しているのを見かねての企画だったらしいが、スタローンの強引なヒーローはもう結構、と思うのは自分だけなのだろうか。思えば哀れな役者である。
 
 そして、この映画の最大の注目は、『ダイ・ハード2』(90)に続く、レニー・ハーリンの監督作という点だった。そして、雪と飛行機を使ったアクションという『ダイ・ハード2』との共通項に、山という背景をプラスすることで、高所恐怖症を増幅させられる映画としては記憶に残る。
 
 ただ、悪役のジョン・リスゴーは目立つが、肝心のスタローンと同僚(マイケル・ルーカー)との対立から和解というドラマ部分がおざなりだったので、山岳撮影とスタントマンたちのすごさだけが印象に残る映画になってしまった。
 
【今の一言】『メイクアップハリウッド』(カオリ・ナラ・ターナー)という本のゴーストライターをしたが、「スタローンは汗っかきなのに照明が当たるので、彼の映画の撮影現場はいつも冷房が効き過ぎてスタッフは凍えている」という件があったことを思い出した。だから雪山でもTシャツ1枚でOKというわけではないだろうが…。
 

 

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【ほぼ週刊映画コラム】『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』

2019-12-19 17:54:47 | ほぼ週刊映画コラム

エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は
スカイウォーカー家の愛と喪失の年代記がついに完結
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』

詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1208660

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【インタビュー】『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』のん

2019-12-19 10:35:43 | インタビュー

「すずさんは同志みたいな感覚です」
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1208319

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『銀幕ミステリー倶楽部』(新保博久編)

2019-12-19 08:19:23 | ブックレビュー

 映画が登場する短編ミステリーを集めたアンソロジー。

 乱歩流映画の捉え方を記した随筆。「映画の恐怖」(江戸川乱歩)

 乱歩名義で横溝が書いた一編。埋めた死体が映画に映る。「あ・てる・てえる・ふいるむ」(横溝正史)

 筆者お得意の猟奇的で奇想天外なトリック。「首切り監督」(霞流一)

 『カツベン!』にも通じる押川春浪と無声映画。「大喝采」(横田順彌)

 もう一つの“映画『悪魔の手毬唄』”。「「悪魔の手毬唄」殺人事件」(小林久三)

 『ふしぎな名画座』所収のしゃれた一編。「「ローマの休日」届」(赤川次郎)

 『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』に掛けた。「りんごの聖戦」(山田正紀)

 ムッソリーニとイタリア版忠臣蔵という冗談小説。「死都(ポンペイ)の怪人」(辰野九紫)

 『王子と踊子』のマリリン・モンローとローレンス・オリビエ、そしてビビアン・リーが登場する。「ヴィヴィアン・リー失踪事件」(荻野アンナ)

 映画鑑賞をアリバイに1。「完全不在証明(アリバイ)」(木々高太郎)

 映画鑑賞をアリバイに2。「証言」(松本清張)

 文豪による優れた怪奇映画譚。「人面疽」(谷崎潤一郎)

 既読のものも数編あったが、新旧取り混ぜたなかなか興味深い短編集だった。続編を期待したい。

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『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』

2019-12-18 08:42:44 | 新作映画を見てみた
 
 1862年イギリス。気象学者のジェームズ(エディ・レッドメイン)と気球操縦士のアメリア(フェリシティ・ジョーンズ)は、酸素ボンベなしで気球に乗って高度1万メートル余まで上昇するが…。
 
 実話を基にしたアドベンチャーロマン。最新の映像技術を駆使して、19世紀のロンドンの風景と、空中、雲上の世界を見せるのだが、高所恐怖症の者には少々刺激が強過ぎるほどリアルだ。『博士と彼女のセオリー』(14)の2人が再共演。アクティブな役柄上、ジョーンズの方が危険なアクションに挑むわけだが、これが現代の男女関係にも通じるようで面白い。その意味では、宇宙船を舞台にした『ゼロ・グラビティ』(13)と重なるところもある。
 
 ところで、この映画は、昔々の『罠』(49)『真昼の決闘』(52)、あるいは和田誠の『真夜中まで』(99)が用いた、劇中の時間(この映画の場合は飛行時間)と実際の上映時間とを同じにしたリアル・タイム形式を取り入れていたようだが、時間経過の描写が少々雑で、あまり効果を発揮していないところが残念だった。『イエスタデイ』で好演を見せたヒメーシュ・パテルが、ジョーンズの親友役を演じたこの映画でも、なかなかいい味を出していた。
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『打撃王』『ルー・ゲーリック物語』

2019-12-17 18:35:23 | 名画と野球のコラボ

『打撃王』(42)(1973.2.25.NHK)

   

パンフレット(49・新東京出版(Hibiya Theatre))の主な内容は
『鉄人』ルウ・ゲーリッグを憶う(鈴木惣太郎)/配役・解説/物語/『打撃王』の原作脚色について(上野一郎)/鑑賞講座(田村幸彦)/サミュエル・ゴールドウィン(淀川長治)/ゲイリー・クーパーとテレサ・ライト(野口久光)/監督者サム・ウッド(双葉十三郎)/パアリンのオールウェイズ(岡俊雄)/『打撃王』を見て(宇野庄治)/ゲーリッグと私の想い出(若林忠志)/『ママの想い出』に泣く(双葉十三郎)

 『打撃王』のパンフレットを手に入れたのだが、さすがに鑑賞メモは残っていない。というわけで、代わりに昔見たテレビムービーについてのメモを。

『ルー・ゲーリック物語』(77)(1982.3.21.)

 オープン戦の雨傘番組で、何と『ルー・ゲーリック物語』なる未公開のテレビムービーが放送された。ゲーリッグで、すぐに思い出すのは、ゲーリー・クーパー主演の『打撃王』(42)という古い映画だが、このドラマからは、それとは全く違う印象を受けた。

 『打撃王』がいわばアットホーム的な温かい映画だったのに対して、このドラマは非常に冷めたものを感じさせる。主人公であるゲーリッグ(エドワード・ハーマン)の妻エレノア(ブライス・ダナー)も、『打撃王』でテレサ・ライトが演じたように、決して良妻としては描かれておらず、ゲーリッグの母(パトリシア・ニール)との醜い争いや、身勝手な行動も随所に見られ、その分、人間っぽいと言えなくもないが、映画で抱いたイメージを壊されてしまった。

 また、ゲーリッグ自身も、大スターのクーパーとハーマンとでは、もちろん比べるべくもないが、ニックネームの鉄人ではなく、ひ弱なマザコン青年として描かれている。ちょっとうがった見方かもしれないが、ニューシネマが西部の英雄伝を壊したように、このドラマも大リーグの神話であるルー・ゲーリッグ伝を壊すことに主眼を置いたのか、と思えなくもない。ゲーリッグも悩み多き一人の人間だったという、神話の中に封じ込められた事実を、あえて描こうとしたのだろう。

 自分のような、映画も野球も大好きな者にとって、スポーツ選手を主人公にした映画やドラマには大いに興味をそそられるのだが、実在の選手を描く場合は、やはり主人公の興じるスポーツの魅力が自然と浮かび上がってくるような描き方を望みたい。マーティン・スコセッシの『レイジング・ブル』(80)のような、人物描写に厳しさがある映画にはそんな口を挟む余地はないのだが、このドラマのような中途半端な描き方には不満を持たされた。

 例えば、野球映画では、『打撃王』の主人公ゲーリッグの野球への愛、彼の真摯な姿から浮かび上がる野球の素晴らしさ、『甦る熱球』(49)の主人公ストラットンの野球への執着、野球の楽しさを描いた『春の珍事』(49)、最近では『がんはれ!ベアーズ』(76)など、いいものがたくさんある。

 このドラマに、これらと同じレベルを求めるのは筋違いかもしれないが、野球に限らず、スポーツの素晴らしさを描けば、人間ドラマとしても、自然にいいものができるのではないかと思うのだが…。

「映画で見る野球 その1」『打撃王』『甦る熱球』『42~世界を変えた男~』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/031d59decb01df8fc64df847f7a96531

「映画で見る野球 その2」『メジャーリーグ』『ナチュラル』『マネーボール』『人生の特等席』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/80952a2821739214c4c86f2aec76f65d

「映画で見る野球 その3」『私を野球に連れてって』『くたばれ!ヤンキース』『春の珍事』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/f5037ebd473c95a1ff9818b20b6f1bde

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ヌーベルバーグ随一のヒロイン アンナ・カリーナ

2019-12-16 18:35:52 | 映画いろいろ

 仏のヌーベルバーグを彩ったアンナ・カリーナが亡くなった。以前、彼女に関するこんなものを書いたことがある。「公私ともにゴダールを虜にした ヌーベルバーグ随一のヒロイン」(『外国映画女優名鑑』より)。

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『リチャード・ジュエル』

2019-12-16 11:02:32 | 新作映画を見てみた
  
 
 1996年、アトランタオリンピック開催時に、爆発物を発見して多くの人命を救った英雄であるにもかかわらず、FBIやメディアに爆破テロの容疑者と見なされた実在の警備員リチャード・ジュエル(ポール・ウォルター・ハウザー)と弁護士のワトソン・ブライアント(サム・ロックウェル)の闘いを描く。
 
 クリント・イーストウッド40作目の監督作品であるこの映画は、最近の『アメリカン・スナイパー』(14)『ハドソン川の奇跡』(16)『15時17分、パリ行き』(17)『運び屋』(18)といった、事実を基にした物語の系譜に属する。
 
 無名の人物が主人公ということで、素人が本人役を演じた『15時17分、パリ行き』の失敗が頭をよぎったが、今回はウォルター・ハウザー、ロックウェルをはじめ、ジュエルの母親役のキャシー・ベイツ、記者役のオリビア・ワイルド、FBI捜査官役のジョン・ハムなどがきっちりと演じて、映画に説得力を与えている。改めて俳優の力は大きいと感じさせた。
 
 ジョエルが犯人でないことは最初から分かっているので、それならば、何を見どころとして2時間余をもたせるのかが勝負となる。その点、イーストウッドは、事の経緯を淡々と描きながら、それぞれの人物や事件の深部を明らかにしていく、という正攻法で勝負している。これこそが熟練の技だ。
 
 悪人探しと断罪は魔女狩りの昔からあるが、今の世の中は、姿なき誹謗中傷がまん延し、ジュエルのように、いつ被害者、あるいは加害者になってもおかしくはない。また、「結婚もせず母親と同居しているデブな男」「英雄願望のある男」などと、ジュエル=他人に勝手にレッテルを貼ったり、見た目で人を判断してしまう恐ろしさも、自戒の意味も含めて痛感させられた。
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