田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

【インタビュー】『47歳 人生のステータス』マイク・ホワイト監督

2021-06-07 06:34:34 | インタビュー

 47歳のブラッド(ベン・スティラー)が、大学進学を目指す息子とボストンへ向かう旅の中で、自らの人生を見詰め直していく。人生の後半戦を歩み始めた中年男性の悲哀と再生を温かいタッチで描いた、プランBエンターテインメント製作の『47歳 人生のステータス』が6月11日からオンライン上映される。配信を前に、本作の監督・脚本を担当したマイク・ホワイトに話を聞いた。

「この映画は、自分と他人を比較したり、他人をうらやむことの不条理さを描いています」
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1270557

『47歳 人生のステータス』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/710bb99d3336d327dd5d9773f1626699

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『飛べ!フェニックス』

2021-06-06 07:44:54 | 映画いろいろ

『飛べ!フェニックス』(65)(1982.11.11.木曜洋画劇場)

 “男の映画”を撮らせたら第一人者であるロバート・アルドリッチの面目躍如の映画。とにかく出てくる面々(ジェームス・スチュワート、リチャード・アッテンボロー、ピーター・フィンチ、ハーディ・クリューガー、アーネスト・ボーグナイン、イアン・バネン、ロナルド・フレーザー、クリスチャン・マルカン、ダン・デュリア、ジョージ・ケネディ)が、ひとクセもふたクセもある連中ばかりで、その顔ぶれを見ているだけでも楽しくなってきてしまうのに、なんとこの連中が飛行機もろとも砂漠の真ん中に置き去りにされてしまう。

 もちろん黙っている奴らじゃない。本性やエゴを剥き出しにしてなんとか自分だけは助かろうとする。だが結局は、みんなが力を合わせた時、やっと脱出の道が開けるという皮肉たっぷりの作り方。結局、人間、一人ではなにも出来ないし、生きてはいけないらしい。

 フェニックスは日本で言えば不死鳥。だとすれば敢えてこの映画のタイトル(飛行機の名前)にそれを使ったのは、登場人物たちの人生再出発の意味も含まれているのだろう。いずれにせよ、アルドリッチ、男の集団劇にはさすがの冴えをみせる。さてオレも再出発してみますか。

 

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『ブラックバード 家族が家族であるうちに』

2021-06-06 07:26:29 | 新作映画を見てみた

ベビーブーマーらしい価値観

 ある週末、リリー(スーザン・サランドン)は、医師の夫ポール(サム・ニール)と暮らす海辺の邸宅に、娘のジェニファー(ケイト・ウィンスレット)とアンナ(ミア・ワシコウスカ)とその家族、そして学生時代からの親友リズ(リンゼイ・ダンカン)を集める。

 それは、病気の進行によって安楽死を決意したリリーが、“家族が家族であるうちに”過ごすために用意した最後の時間だった。彼らは、さまざまな思いを胸に最後の晩餐を共にするが、あることをきっかけに、それぞれの秘密が明るみに出ることになる。

 登場人物は8人だけで、ほとんどが邸宅内で繰り広げられる、舞台劇を思わせる映画だが、よくある安楽死の是非を問うドラマは、映画が始まった時にはすでに終わっている点がユニーク。つまりは、実行までの過程を描いているのだ。

 ただ、リリーが自分の尊厳を必要以上に重視し、娘たちを自由な人間に育てたと勘違いしていたり、葉っぱ(ドラッグ)やウッドストックやフリーセックスのことを楽しそうに語る場面を見ていると、いかにもベビーブーマー(日本で言えば団塊の世代)らしい価値観だという気がして、ちょっと反発を覚えた。

 とは言え、この場合は、単なるきれいごとのお涙頂戴話ではなく、そうした嫌らしさをきちんと描いたところを、良しとすべきなのかもしれないとも思った。

 いずれにしても、最近母を亡くし、自分も死が身近な年齢になったことを思うと、人生の最期の迎え方について、いろいろと考えさせられるところはあった。

 女優たちの演技合戦の横で、夫役のニールと長女の夫役のレイン・ウィルソンがなかなかいい味を出していた。

 【付記】母と娘が一緒に歌った曲が気になったので調べてみたら、ナンシー・シナトラが歌った「イチゴの片思い=Tonight You Belong To Me」(63)だった。リリーの思い出の曲という設定なのだろう。ここにも時代が表れている。

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『幸せの答え合わせ』

2021-06-05 10:47:17 | 新作映画を見てみた

「希望の隔たり」

 イギリス南部の港町シーフォードで暮らすグレース(アネット・ベニング)とエドワード(ビル・ナイ)は、結婚29年目を迎えようとしていた。ところが、一人息子のジェイミー(ジョシュ・オコナー)が久しぶりに帰郷したある週末に、突然、エドワードが「家を出て行く」と宣言する。

 『グラディエーター』(00)などで知られる脚本家ウィリアム・ニコルソンが、息子としての実体験を基に脚本を執筆し、自ら監督した。ほぼ、夫婦と息子による会話劇が展開し、ベニング、ナイ、オコナーが三者三様の好演を見せる。

 こうした老年夫婦の危機を描いたものは、妻が別れを切り出すパターンが多いが、この映画は逆。最初は、気が強くて強引な妻と気弱で繊細な夫という図式が見えて、やり込められる夫や、夫婦の間に入って苦悩する息子に同情するのだが、やがて、それは一元的な見方に過ぎないと気付かされ、夫の行動にも身勝手なものを感じるようになる。

 つまり、こうした問題は、どちらか一方に非があると、簡単に片づけられるものではないということ。そこが厄介だったり、切なかったりするのだ。身につまされて、思わず苦笑させられる場面やセリフもあった。

 原題の「ホープ・ギャップ」は、劇中に登場する海岸の名称だが、この場合「(互いの)希望の隔たり」というダブルミーニングにもなるわけだ。

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『夏への扉 キミのいる未来へ』

2021-06-05 07:19:42 | 新作映画を見てみた

この小説の初映画化が日本でなされたことに驚く

 1995年、将来を嘱望される科学者の高倉宗一郎(山崎賢人)は、亡き養父・松下(橋爪淳)の会社で研究に没頭していた。ずっと孤独だった宗一郎は、自分を慕ってくれる松下の娘・璃子(清原果耶)と愛猫ピートを、家族のように大切に思っていた。

 だが、研究の完成を目前にしながら、宗一郎は罠にはめられ、冷凍睡眠させられてしまう。彼が目を覚ますと、そこは30年後の2025年の東京だった。

 ロバート・A・ハインラインの『夏への扉』を翻案。冷凍睡眠(コールドスリープ)とタイムマシンを使って、現在と未来を結び付けるという大筋は原作を踏襲しているが、原作の1970~2000年への旅を1995~2015年に変え、相手役の娘の年齢を上げ、主人公が未来で出会うアンドロイド(藤木直人)を登場せるなど、いろいろと改変を試みている。

 監督の三木孝浩は『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(16で、脚本の菅野友恵は『時をかける少女』(10で、すでにこうした話を映画化しているので、現在と未来のギャップによる浦島太郎的なコミカル味も含めて、タイムトラベルのつじつま合わせや伏線の回収も、違和感なく行っている。何より、この小説の初映画化が日本でなされたことに驚いた。 

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「BSシネマ」『アパッチの怒り』

2021-06-04 07:26:08 | ブラウン管の映画館

『アパッチの怒り』(54)

ダグラス・サークは“巨匠”じゃない
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a4a20c4f53076b02acd880ef39cbb9d1

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【ほぼ週刊映画コラム】『コンティニュー』『グリーンランド 地球最後の2日間』

2021-06-03 10:05:58 | ほぼ週刊映画コラム

共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は
地球規模の大問題を描きながら、どこか能天気な
『コンティニュー』『グリーンランド 地球最後の2日間』


詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1277032

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『グリーンランド 地球最後の2日間』

2021-06-03 07:38:08 | 新作映画を見てみた

努力の跡は見られるのだが…

 突如現れた彗星落下による世界崩壊のタイムリミットまであと48時間。政府から緊急避難者に選ばれたある家族をめぐる、「ノアの箱舟」のような話かと思いきや、さにあらず。はぐれた家族がシェルターに向かうさまを描いたサバイバルドラマが中心で、彼らが非常事態下での人間の善と悪を目の当たりにするというものだった。

 プロデュースも兼ねたジェラルド・バトラーが、あえてヒーローではなく普通のおじさんを演じるなど、ほかのこの手の映画との差別化を狙った努力の跡は見られるのだが、たとえ、この家族だけが生き残ったとしても、果たしてそれだけでいいのか、という疑問を感じるのは否めない。

 自分たちだけが助かればいい、とでもいうような、むき出しのエゴや、強引なミーイズムが露呈されるのは、この手の映画の常ではあるが、同時に、そうした類型的な描き方しかできないことが、こうした映画の限界を示しているとも言えるだろう。

 主人公の妻役に『デッドプール』シリーズのモリーナ・バッカリン。彼女の父親役で懐かしのスコット・グレンが顔を出す。監督リック・ローマン・ウォー。

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「BSシネマ」『アラビアのロレンス』

2021-06-03 07:23:54 | ブラウン管の映画館

『アラビアのロレンス』(62)

1960年代洋画ベストテン
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/fbeeab58cc92fbd6f2cc054c43fe1669

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『映画の森』「2021年4月の映画」転載

2021-06-02 19:32:32 | 映画の森

「KyodoWeekly」4月26日号から「映画の森」2021年4月の映画」共同通信のニュースサイトに転載。

https://www.kyodo.co.jp/national-culture/2021-06-02_3615613/

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