夢見るタンポポおばさん

富士山麓の風景、花の写真。エッセイ。

故郷の兄倒れる

2016-05-18 21:24:42 | 日記・エッセイ・コラム

                    故郷の兄倒れる

 昭和41年、享年46才で父が急逝した後、

僅か21才の若さで旧家を継ぎ、父親の代わりになって

祖母、母、私たち弟妹三人を養う為に、青春時代も無く、一生懸命働いて、

兄として父親代わりに二人の弟と妹の私の学資も出してくれ、

嫁入り支度も恥ずかしく無いようにと言ってくれ、

結婚する時には、夫に「ふつつかな妹だけれども可愛がってやって!」と頼んでくれた

私にとっては大切なお兄さん。

現在も家や畑、茶原を守ってくれている実家の長兄が、

70才になった途端倒れて故郷の病院のICUに入院中です。

 平成2年に母が67才で亡くなってから、25年。

諸々の事情で、 あれほど仲良かった私たち兄妹も今はほぼ絶縁状態です。

  入院の連絡も従姉が電話で教えてくれました。

「必ず行くから!」と答えて今日ICUで面会しました。

67才で亡くなった大好きだったおじいちゃんにそっくりな老人が

ベッドに横になっていました。

「○○兄さん」

私は顔を見た途端、泣き出してしまいました。

「頑張って!」と手を握ると穏やかな顔で握り返してくれました。

「元気になるように祈っているよ!」と言うと頷いていました。

やっぱり私の大切なお兄さんです!

半世紀以上農業一筋に身を粉にして働いて、家や家族を守って来たのです。

リハビリを頑張ってまた元気になって、これからはゆっくり、のんびりと過ごして欲しいと思っています。