故郷の兄倒れる
昭和41年、享年46才で父が急逝した後、
僅か21才の若さで旧家を継ぎ、父親の代わりになって
祖母、母、私たち弟妹三人を養う為に、青春時代も無く、一生懸命働いて、
兄として父親代わりに二人の弟と妹の私の学資も出してくれ、
嫁入り支度も恥ずかしく無いようにと言ってくれ、
結婚する時には、夫に「ふつつかな妹だけれども可愛がってやって!」と頼んでくれた
私にとっては大切なお兄さん。
現在も家や畑、茶原を守ってくれている実家の長兄が、
70才になった途端倒れて故郷の病院のICUに入院中です。
平成2年に母が67才で亡くなってから、25年。
諸々の事情で、 あれほど仲良かった私たち兄妹も今はほぼ絶縁状態です。
入院の連絡も従姉が電話で教えてくれました。
「必ず行くから!」と答えて今日ICUで面会しました。
67才で亡くなった大好きだったおじいちゃんにそっくりな老人が
ベッドに横になっていました。
「○○兄さん」
私は顔を見た途端、泣き出してしまいました。
「頑張って!」と手を握ると穏やかな顔で握り返してくれました。
「元気になるように祈っているよ!」と言うと頷いていました。
やっぱり私の大切なお兄さんです!
半世紀以上農業一筋に身を粉にして働いて、家や家族を守って来たのです。
リハビリを頑張ってまた元気になって、これからはゆっくり、のんびりと過ごして欲しいと思っています。