フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

cocobu(むべ)

2014-10-13 08:47:26 | Weblog
山間の里に住んでいるヨシローさんから「ここぶ」ガ届いた。ヨシローさんの玄関にぶら下がって夏になっていたヤツだ。「熟れたらちょうだい」って冗談交じりに言ってたら律儀にも送ってきた。普通の温州みかんより少し大きいくらいかな。「あけび」の仲間だけどあけびより小さい。

いまの子はこれの食べ方を知らない。これが食べられることも知らないのかもしれない。僕自身も「ここぶ」っていうのはつい最近まで知らなかった。シェルパくんかガムシャラ君が教えてくれたのかな。「あけび」は野生のものを見つけては食べていたけど。どれもこれもぜんぶ「あけび」と思ってたらこれはあけび、これはここぶと教えてくれた。皮を割ると白い実があらわれてそれが美味。でも種が多い。その種を噛まずに飲み込むのが美味しく食べるコツなんだよ。野性の味って作られたものと違ってコクというのかマイルドじゃないけど本当の美味さがあるよね。好みの問題だけど僕は野生の味が好きだ。清少納言も食べたかもしれないと思うとなんと風雅な。「ここぶ」の正式名称は「むべ」というらしい。「むべなるかな」と言う古語が古典には良く出てくるだろう。そんな昔からここぶはあるんだ。昔は不老長寿の菓子だったらしい。ちなみに平安時代の菓子っていうのはあけびやなんかの果物を指すことだったというからね。
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