フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

槐多の水彩

2014-05-09 07:16:53 | Weblog
村山槐多の絵に衝撃を受けた。油絵だろうと思っていたからいい絵だなと見てたけどそんなに気にかけていなかった。いままでは。これ水彩だってね。

水彩でもこんなふうに描けるんだとびっくりした。それで22歳で夭折したことも知ってまた驚いた。彼の絵を横山大観が買ったということも「てっ」です。水彩でも油絵でも見る人が見れば手段は問題ないんだ。彼の才能を見出したのは彼の従兄の洋画家「山本鼎」であった。村山槐多はガランス(茜色)が大好きでシルエットロマンスだね。
「一本のガランス」という詩も書いてる。
ためらうな 恥じるな 真っ直ぐにゆけ 汝のガランスのチューブをとって 汝のパレットに 直角に突き出し まっすぐにしぼれ・・・・
特別な思いがあったんだろうな。彼の水彩はガッシュで描かれているけど透明水彩でもこういう描き方できるんじゃないかなと去年試しにやってみたことの答えを見たようなタッチの絵だったからビクっとしたんだ。モチーフに自己を解き放った奔放な表現。セザンヌやルノワールにかぶれたような恥じらい。それらのすべてが水彩と言う技法で述べられていることに衝撃を受けた。これは油絵でしかできない表現だろうといままでずっと思っていたから。水彩も色を強烈に使えるんだと知っただけでも村山槐多を知ってよかった。
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