
メリハリの利いた文章をかくとき起承転結が大切と学んだ。その時の例文のひとつが次の江戸小唄。
起:三条木屋町 糸屋の娘 承:姉は十七 妹は十五
転:諸国大名は 弓矢で殺す 結:糸屋の娘は 目で殺す
起で、どうして糸屋の娘なのと思わせる。承で、ふたりの姉妹であることを教えそれがどうしたと気を持たせる。転で、思いもつかない戦の様子でそれがなんなのと問いかける。結で、そうかと拍手が起こる。艶っぽい例だから分かりやすい。
「起」で文章の中身をあらわす事物を出し、「承」で起の全体像をあらわし、「転」で主題を印象付ける事例を示す。最後に「起・承」と「転」を踏まえて落ちをつけろ、と解説がある。
最近は起承転結など、という意見もある。これまで下手であっても文を書くとき、ひとつの方程式のように起承転結の4文字を心掛けてきた自分にはいまさら変えられない状態になっている。
あることから知人が「メリハリのある文章を」と電話があった。言葉とその意味するところはなんとなく分かっていたつもり。しかしメリハリは「減り張り」と書くことを初めて知った。こんな事では減り張りのあるものは期待できないと自笑するしかない。
ワードで「減り張り」と変換するには「めりはり」ではダメで「へりはり」なら出来る。これは思わぬ発見。
(写真:この白壁の通りを艶っぽく歩く女性は「女」と「おんな」、どちらを使おうか)