見ごろ、食べごろ、年ごろ、などそれにもっとも適した頃合いをいいあらわす。花の見ごろメロンの食べごろ、一言でその良い時期が伝わる。年ごろといえば結婚適齢期に達している頃も一つの意味。そうした頃あいを決めるのは難しい。特に自然が間に入ると難しくなる。しだれ桜で有名な観光地、その祭りというに日に車を走らせたが、見ごろは1週間前でした、と申し訳なさそうに話してくれる店員さんが気の毒だった。
吉香公園の菖蒲まつり、花は今が見ごろで的中、それに合わせるかのように梅雨の雨も一休み。140種類11万株と公表されてる菖蒲はまさに盛り。池の周りの園路は観賞の人で賑わっている。撮影の人も多く花冥利ににつきよう。そんな花を広めようという菖蒲株の無償配布の列に並んだ。待つこと40分、所定の時間になって配布開始、私の前の女性は子供3人連れで4株、いい花が咲くだろう。振り返ると長い長い列になっていた。
菖蒲の花を撮っている横で「花が喜ぶように描いてやりんさい」、写生中の子どもにお母さんの呼びかけ。そっくりそのまま私への呼びかけのように聞こえた。それはシャッターを押す頃合いを見計らった的を得たご忠告、気持ちの中でお礼をいいながら次の花にレンズを向けた。さて、どんな風に撮れているだろうか。