そういえばもう何年も、いや二桁になるほど長い間口にしたことのない金柑、キンカンと表すほうがなじみやすいかもしれないが散歩する裏通りに幾本も見かける。暑いころに咲いていた小さな白い花が黄金色の小さな果実になっている。ミカン科の一種で、子どもころ遊びの途中で「おばさんもらうで」と断ってから生のまま食べていた。
キンカンを撮っていると「採っても食べてがおらん」と庭掃除中の同年配くらいの女性。「子どもがいるころにはいろいろ工夫して食べさせていたのですが」と続く。そういえば見かけるキンカンの木から収穫された様子は見えない。「自然に朽ちて落下し土に還るのだろうか。何かもったいない感じがする。
金柑と書いてこれに頭をつけた3字は「きんかんあたま」とも「きんかあたま」という。その意味は「毛髪がなくなり金柑のように赤く光った頭」、ズバリ言えば禿げ頭を表す。子どものころには平気で使い騒いでいたが怒られた記憶は無い。しかし、我が身がそれに近くなり意識もすると「いじめ言葉のひとつ」ではと思う。先の人どうぞ持ち帰りをと言われたが断った遠因はそこらかも。
キンカンは金のミカンという。とすれば価格も相当なものと思いネットで見ると1㌔が千円から3千円とかなり開きがある。味や姿かたちで違うのだろう。この価格はミカンに比べるとかなり高めになる。今年のミカンの価格、ミカンどころ大島のミカン畑を手伝う知人の話しでは「あまりよくない」という評価、注文品はどんな品が届くかだろうか。