
昨夕だった。「く」の字のような虫の足らしきものが軒下にある。観察したことはないがカマキリの足によく似ているなと思った。何かと戦って落ちたのかと推察しながら、アリなどがやってこないうちにと捨てた。ところが、驚いたことが起きた。
今日の昼前に、足とおぼしき「く」のカマキリの足らしきものがあったあたりに1匹のカマキリがじっとしている。見ると右の前と左の後ろの長い足がない。そうか、あれはこのカマキリの足だったのかと確信しながら、不明が1本あることが分かった。今になってはどうしようもない。スマホラメラを向けると頭を持ち上げた。やはり野生の生き物だと思わせる。
ここからは推測。このカマキリが2本の足を失った、それはいつか不明だが、カマキリは思い当たるところを懸命に探し訪ねてここに来たのかもしれない。そう思うと痛々しい姿をいじらしく感じる。軒下のコンクリート上では鳥からは丸見え、庭の木影に移した。
カマキリのオスは10月一杯、メスは11月中旬頃まで野生として生きられるという。足を失ったカマキリそのどちらか分からないが、いづれにしてもそう長い間、野生として生を享受することはない終焉に来ている。せめて取れた足に出会えていたら、野生とはいえ懸命に生きてきたであろう一生に悔いが残るかも。
(今日の575) 足2本失いしまま死す野生