
数日前書いた「喜寿の出会い」は、思いがけず見つけた教科書なので「喜寿の出遇い」に変える。展示教科書の説明にあった「国定 6」について検索してみた。先に載せた説明と変わらず、文部省(当時)が編纂した最後の教科書だった。私の入学した年度からカタカナからひらかなに変わったことは知っていたが、それが確定したことになった。
検索でまた嬉しいで事があった。初めて手にした国語の教科書が表紙から裏表紙まで頁ごとの画像で出会えた。画像の作成は「国立国語研究所」となっている。展示よりは綺麗だが、紙は黄土色に変わっている。しかし、文字は勿論だが挿絵の色ははっきりと出ている。本文68頁で「昭和22年2月20日 著作権所有 文部省」とある。これを手製で復刻してみた。
当然だが全頁がひらかなが主体だが、人、手、足、目、口、日、山、川、月、木の10字は漢字、カタカナで書くべき言葉もひらかなになっている。「もくろく」は一から十八まであり、十八では眠ってからの夢ではあるが、一人の男児が父と月へ旅行し、擬人化されたウサギと交流する、終戦後すぐ、それも国定教科書に宇宙旅の話が載っていたは忘れていたが驚いた。
最初の「みんな いい こ」以外はこんなのが載ていたんだと繰り返し目を通した。そこには国家総動員や軍国基調の内容はない。解説にあった「戦後の新しい日本が目指した平和と民主主義の教育が読み取れる」、その第一歩を示した教科書と感じる。だが、戦後80年近くになりきな臭い政策が進んでいるが、ここで立ち止り真の平和と民主主義へ向き直って欲しい。
(今日の575) 平和載る国定最後の教科書に