
春の花のひとつ「タンポポ」。それを見るのは道ばたの雑草地や畑の法面などが多い。たまにはアスファルトの裂け目に咲いていて目を引く。清楚な感じのするこの花を嫌う人はそんないはいだろうと思う。
先日、バイバスとして通行量の多い小高い山越えの道で見かけたタンポポ、雑草の中に1本だけ顔をのぞかせている。見ると、集団で咲けなかったのだろう離れ離れで咲いた跡がある。ほかのタンポポは綿毛が綺麗に四散しているがこの1本だけは飛ばし始めのようで、元気な姿をしている。
地面を動いて移動できない植物は子孫を残すために工夫している。我が家の狭庭でも思いがげない芽を見ることがある。鳥の置き土産の中にあった種子がその役目を果たしたことになる。タンポポは花の後にできた白色の丸い冠毛が風に乗って四散し飛び交う、春の風物詩でもあるが、こんな一片がアスファルトの裂け目にたどり着き芽を出すこともあるのだろう。
事情があってこの1本だけ綿毛の飛散が遅れたようだ。早く飛散しないと周りの雑草が伸び難しくなるだろう。それも自然の宿命と思うしかない。先日載せた「優しいこころ根」の黄色いタンポポ、あれか足を運んでいないがどうなっているだろうか。短い生涯を達成して欲しい。
(今日の575) タンポポの清楚な一輪歩み止め