
寒くなると「おでん」も季節の食べ物として好まれる。我が家も今月になり1度食卓に出た。これまで思ったこともなかったがふと「おでん」は漢字でどう書くのか、電子辞書(広辞苑7版)を開くと「田楽」と出る。田楽豆腐、煮込み田楽の略で蒟蒻・豆腐・里芋・はんぺん・つみれなどを醤油味で煮込んだ料理、とある。
ほかの説明。「田楽」とは元来、笛や太鼓のリズムに合わせ舞った田植え時の豊穣祈願の楽舞。拍子木型に切った豆腐に串を打って焼く、その形が田楽舞に似ていることから田楽の名がついたという。平安時代から行われていた芸能だが、宝暦年間の川柳に「田楽はむかし目で見、今は喰い」というのが見られ、見る田楽が食べる田楽になったという。
おでん、と言えば思い出の店がある。その店には「おでん屋」として通っていた。そのうち後継ぎの息子が小料理屋を新規開店した。その一角に伝統のおでんの構えが設けられ、おでんを注文すると、必ずと言いていいほど皿に盛り席まで運んでくるのはおでんや屋時代のおかみさん、そして自慢の一品を嬉しそうに話す姿は芯からのおでん屋だった。
おでんの材料、スーパーにはいろいろな組み合わせの材料がパックで並んでいる。電子レンジで食べれる状態に変わる品もある。家族の好きなものを煮込む手間は不要になったようだが、我が家では昔からの作り方で食卓に出る。
(今日の575) 歳重ね食べれなくなったあと一つ