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先日、岩徳線の西岩国駅へ久しぶり立寄った。人影の無い待合室の奥まで朝日に照らされて伸びた改札の影がローカル線らしさを偲ばせる。ここはずいぶん前から無人駅。かっては市内の主たる駅として栄えたこともある。
時の流れにつれ待合室の様子も変わる。小さな切符と飲料水の自販機が並ぶ。列車の接近は掲示板の点滅とブザーで知らされる。見覚えのある古い木製の椅子だけが昔の面影を残している。
「地方のローカル線はゆったりのんびりして気持ちが洗われる」。都会の知人を案内したとき聞いた話を思い出した。ゆっくり旅する人にはそうだろう、そう思ってもらえればローカル線の無人駅もすくわれるというものだ。
旅する人にはいい路線でも、そこへ住む人には「ゆっくりのんびり」路線ではたまらない。車の運転をしない人にとっては少ない運転本数に生活をあわせている。不便でも我慢をしながら。
子どもころ母の実家へ行くのに省営バスを長い時間待った駅前広場、修学旅行へ出発したホーム、懐かしい思い出の残る赤い屋根の駅舎は80歳という。まだまだ立てつづけて欲しい。
(写真:待合室に伸びる改札口の長い影)
岩国駅でもない、新岩国でもない、何かしらレトロな思いに駆られたのを思い起こしました。