a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

『母―おふくろ』公演終了しました。

2007-10-16 14:36:39 | 東京公演
多くの方にご来場いただき、
『母―おふくろ』、無事千秋楽を迎えました。
ほんとうに、どうもありがとうございました。

始まってからは一気でしたが、
総がかりの公演で、みんな何だかくたくたになりました。

今度の芝居は、
僕はすごく好きでした。
ブレヒトらしいシニカルな社会への眼、
洋佑さんのカットプランも秀逸で、
光さんの音楽もお見事、
何より、
俳優たちがそれぞれの持ち場を、
しっかり担ったことだろう。
ブレヒトの戯曲って、
そういうディテールが立体的で、
そこを手抜くと、うまくいかないんですよね。

評判も上々で、
手応えのあった公演でした。

2ヶ月の稽古期間の中で、
いろいろ考えることがありました。
ブログでも、おいおい書きたいことも増えました。
ブレヒトの戯曲が、いかに現代性を持っているかということを知り、
現代の情勢に対してまったく古くなく、
輝きを放っていることを知りました。

ブレヒトが、この作品を書いたのは、
まさに戦争前夜であった旧ドイツ。
いま、
この国で、この作品がぴったりしてしまうというのは、
今が、どんな時代なのだろうか。

そう考えずにはいられない。