『日本の気象』の公演まで、
1日となりました。
というか、
もう、今日、ですね。
2004年に劇団創立50年記念に上演した作品で、
“新劇の父”とも言われている久保栄の最後の作品。
敗戦直後の気象台を舞台に、
日本中が民主化への流れの中にあり、
人間が大切にされる社会への希望があふれていた。
若者たちは、
自分たちの未来が、
今よりいいものであると胸を高鳴らせていた。
あるものは、科学技術の平和利用を語り、
あるものは、労働者の生きる権利を考え、
あるものは、恋をしていた。
しかし、期せずしてその流れは逆流となる。
科学の平和利用がないがしろにされ、
労働組合はつぶされ、
恋も・・・いや、恋が簡単じゃないのは昔からですね。
わずか敗戦から5年という月日の中で、
時代は大きく揺れ動いていた。
何のための科学なのか。
気象を予報すること。
人々が生きる日常により良く生かすこと。
しかしその科学はまた、
真珠湾の攻撃を決めた技術でもあった。
その激動の時代に、
それぞれが懸命に生きようとした姿を瑞々しく描く。
この作品、ほとんどの主要人物たちは、
実は、モデルがいたりするようです。
この作品に描かれていることは、
そのまま僕らが生きる時代とつながっています。
そしてその現場で生きる人々の純粋性にまた惹かれます。
2004年に上演されたとき、
僕はスウェーデンの留学から帰ってきて、
本番を観ただけでした。
まさに時差ぼけの頭が目の覚めるような、
そんなショックを受けた記憶があります。
わずか数ヶ月にもかかわらず、
なぜか僕は、みんなから置いていかれたんだ、という気分になりました。
この稽古場にいなかったことは、
大きな遅れになったのではなかったか、と。
芝居のできは、最高。
あれだけ散々ストックホルムの舞台芸術に触れながら、
やっぱりうちの芝居は世界に通用する。
なんて、思ったりもしました。
期せずして、
この作者の久保栄が亡くなって50年。
あらゆる文化人が、戦争中の戦争協力を自己批判し、
二度と戦争を起こさないことを考える中で、
演劇界だけは、そのことをしませんでした。
そんな演劇界に絶望し、
身を削るような思いをして書き上げたのが、
この戯曲。
しかし、当時、彼の果敢な試みは、
なかなか評価されなかったときいています。
そして、1958年3月15日、
最後は気が狂うようにして、
自らの命を絶ちました。
2004年の上演から4年、
待望の再演となりました。
ぜひ足をお運びください。
そして、たくさんご意見を聞かせてください。
劇場にて、お待ちしております。
東京演劇アンサンブル公演
日本の気象
2008年3月28日(金)~30日(日) ブレヒトの芝居小屋
2008年4月4日(金)~6日(日) シアターX
28日=19時 4日=18時半 土・日=14時
当日5,000円
前売・一般4,500円 学生3,500円
全席自由
公演詳細は、劇団HPにてどうぞ。
URL http://www.tee.co.jp
1日となりました。
というか、
もう、今日、ですね。
2004年に劇団創立50年記念に上演した作品で、
“新劇の父”とも言われている久保栄の最後の作品。
敗戦直後の気象台を舞台に、
日本中が民主化への流れの中にあり、
人間が大切にされる社会への希望があふれていた。
若者たちは、
自分たちの未来が、
今よりいいものであると胸を高鳴らせていた。
あるものは、科学技術の平和利用を語り、
あるものは、労働者の生きる権利を考え、
あるものは、恋をしていた。
しかし、期せずしてその流れは逆流となる。
科学の平和利用がないがしろにされ、
労働組合はつぶされ、
恋も・・・いや、恋が簡単じゃないのは昔からですね。
わずか敗戦から5年という月日の中で、
時代は大きく揺れ動いていた。
何のための科学なのか。
気象を予報すること。
人々が生きる日常により良く生かすこと。
しかしその科学はまた、
真珠湾の攻撃を決めた技術でもあった。
その激動の時代に、
それぞれが懸命に生きようとした姿を瑞々しく描く。
この作品、ほとんどの主要人物たちは、
実は、モデルがいたりするようです。
この作品に描かれていることは、
そのまま僕らが生きる時代とつながっています。
そしてその現場で生きる人々の純粋性にまた惹かれます。
2004年に上演されたとき、
僕はスウェーデンの留学から帰ってきて、
本番を観ただけでした。
まさに時差ぼけの頭が目の覚めるような、
そんなショックを受けた記憶があります。
わずか数ヶ月にもかかわらず、
なぜか僕は、みんなから置いていかれたんだ、という気分になりました。
この稽古場にいなかったことは、
大きな遅れになったのではなかったか、と。
芝居のできは、最高。
あれだけ散々ストックホルムの舞台芸術に触れながら、
やっぱりうちの芝居は世界に通用する。
なんて、思ったりもしました。
期せずして、
この作者の久保栄が亡くなって50年。
あらゆる文化人が、戦争中の戦争協力を自己批判し、
二度と戦争を起こさないことを考える中で、
演劇界だけは、そのことをしませんでした。
そんな演劇界に絶望し、
身を削るような思いをして書き上げたのが、
この戯曲。
しかし、当時、彼の果敢な試みは、
なかなか評価されなかったときいています。
そして、1958年3月15日、
最後は気が狂うようにして、
自らの命を絶ちました。
2004年の上演から4年、
待望の再演となりました。
ぜひ足をお運びください。
そして、たくさんご意見を聞かせてください。
劇場にて、お待ちしております。
東京演劇アンサンブル公演
日本の気象
2008年3月28日(金)~30日(日) ブレヒトの芝居小屋
2008年4月4日(金)~6日(日) シアターX
28日=19時 4日=18時半 土・日=14時
当日5,000円
前売・一般4,500円 学生3,500円
全席自由
公演詳細は、劇団HPにてどうぞ。
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