a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

最後の審判の日、まで……vol.3

2016-02-23 00:55:38 | 東京公演
初日まで2週間少々、
日常会話の中でも芝居のセリフが飛び交う季節になってまいりました。

衣裳担当、上條珠理です。




今回の衣裳プランナーは、稲村朋子さん。
アンサンブルでは、『忘却のキス』で出会い、
『屠畜場の聖ヨハンナ』、
『無実』を担当して頂いている、
演出・公家の信頼あついデザイナーさんです。
オランダのNetherland Dance Theatreに文化庁在外研修員として1年間留学し、
帰国後は主にダンスの衣裳を手掛けていらっしゃいます。
衣裳と同じくご本人もスタイリッシュ、
美しい男前顔の気さくなお姉様です。
今回、公家からの希望やイメージ、
具体的な提示というのは特になかったとのこと(丸投げ状態?!)。
信頼の厚さが伺えますね。
「俺、よくわかんない」とのたまう演出家に、
「でたーーーー!」と叫びつつ、
聖書を読んだり、
ドイツの事を調べたり、
映画を見たり、
彫刻展に行ったり、
とフットワーク軽く、次々とインプットしているご様子。
そして、自ら着てみる!
美しいワンピース姿に、皆萌え萌えです(なんかちょっとちがう・・・)


ネタバレしない程度の今回のコンセプトを伺いましたところ、

「役、以上に人間であること」

そう、今回の舞台は、ある時代の、
さまざまな職業や立場、考え方の同じ人、違う人が出てきます。
そして皆が何かそれぞれのことににイライラしている。
そんな全員に、今回は新調の○○○○があります!
キャスト全員が作りたてのオリジナル衣裳を着用するというのは、
アンサンブルの舞台では稲村さんにとっても初めてのことだそうです。
稲村さんが1人ずつフィッティングして、各人違う型のデザインとなっているのです。
作業は、まずは劇団に1反の布が届き、型を取って全員分を切り出すところから始まりました。
そして、それを縫うのは、出演する女優たち。
『最後の審判の日』は、The・男の芝居というだけあって、
女性キャストが極端に少ないのです。
稽古が夜遅くまでかかるため、
作業は夜ちまちまと始まります。
ミシン名人たちは、ミシンと会話し、ミシンを気遣いつつ、
サクサクと作業を進めていきます。
私は…どうも仲良くなれそうにありません。
稲村さんはといえば、なんと英語を話しながらすごいスピードで縫ってゆきます。
○○○○は、間もなく全員分完成予定。
ですが、まだ未定の部分、
稽古を経て決まって行くところもあると思うので、
まだまだ作業は続きます。
今後は出演者以外の女優陣の手もお借りして、
進めていくことになるでしょう。
日々の稽古、
そして作業の積み重ねが凝縮された舞台を、どうぞお楽しみに!!




おまけ
女性楽屋に眠っていた古いミシンです。
入団10数年目の私も、稼働するのを初めて見た代物。
名人たちのメンテナンスにより、ある重要な舞台装置が縫われました。
そして現在も活躍中です。


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『最後の審判の日』公演情報

2016.3.9-21
Brecht Raum
TEE-Ticket Web