空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

神託の行方や

2011-10-18 23:50:38 | Weblog
 ここのコメント欄に「先に誘拐されたというケニア人ドライバーさんのことも,誰か気にしてあげてください。ケニア国家としては,理屈上,ケニア国民に危害を加える存在をこそ許容できないはずでしょう」と書いたわけですが,この問題を語る論者について,ひとつ,リトマス試験紙になる話題でもある。

 英国の報道機関なら,英国人誘拐被害者についてまず語るだろう。
 フランスの報道機関なら,フランス人誘拐被害者についてまず語るだろう。
 で,日本の報道機関なら?
 ところで,ケニアの報道機関だったら?

 私は,ケニアには,ケニア軍を動かす,割と正当な理由があると思う。自国民を保護するために,『この間は間に合わなかった。だが今度こそ! いや今度の被害者はうちの国民じゃないが,まあ友好国の市民だし,犯人は同一組織だ!』と行動するのは,国家の正義に適うことだろう。

 そうしたケニアの正義に多少なりと連帯の気持ちを持てないならば,その人は,いちケニア人の生死苦難を何の価値もないものと見捨てているのだ。ケニア人たちとの連帯を放棄するのだ。

 私は,可能な限り広範な諸国諸国民の連帯がなされるべきだと信仰する。諸個人が,それぞれ尊厳ある存在として扱われる・受け止められるべきだと信仰する。私には,ケニアの決断を真っ向から否定することはできそうにない。

 さて,日本の報道機関は,ケニア人被害者について語っただろうか?
 もし語っていないとすれば,彼らは無知であるか,それとも知っていてそうならケニア人の安否について報じる価値はないと判断したことになろう。フランス人やイギリス人は,安否が報ぜられるべき人間であるとする一方,ケニア人には言及する価値がないと,そう主張していることになろう。

 私は,そのような見解は取られるべきではないのだと主張しよう。
 我々,いわゆる「99%」が連帯すべきは市民であって,その市民の安寧を打ち崩すが故にアルシャバブ等々は罪深いのである。

 ところで

@kamiura_jp 神浦 元彰 「ソマリアの首都を追われたイスラム過激派アルシャバブが支配するソマリア中・南部に隣国ケニア軍が16日に越境。米政府がソマリアに派遣したPMC(民間軍事会社)の元特殊部隊隊員と連携して掃討作戦を行う。これは南スーダンに自衛隊PKO部隊がくる前の大掃除。隣国ウガンダも大掃除が始まった。」(2011/10/17)

 どのあたりで外すのかが問題だが,

@robo7c7c ナナシ=ロボ(福島市) 「南スーダン陸自PKO派遣前に「大掃除」終わぇんねぇって事じゃねぇか!こういう「誤神託」は、止ーめーでーーーーーーーー!」(2011/10/18)

 …ウガンダの件もJubalandの件も長期化するという理解でよろしいか。ウガンダの米軍派遣は…100人規模ならさほど全体に対する直接的軍事的インパクトはないはずで,”大掃除”は長期化必至でしょうけど…Jubalandは,下手に延びると民間人の被害が拡大しそう…戦闘に巻き込まれて死ぬなら,報道に拾われて世界的課題になるかもだけど,あの,その,単に人知れず荒野で餓死しまくるような…。

 いやあのね,ケニア北部に,避難民だけで50万人規模の「都市」が出来てるわけなんだが。いろいろパンクするがな。



 で,なんか「大掃除」になりそうなんですが,どれだけの期間になるでしょうか…(汗)

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