空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

クルド「移民」問題のメモ:新条例の制定も視野

2024-08-20 17:31:25 | Weblog
 埼玉県川口市は近年、よく知られた場所となった。「近年」はこの際、2~3年程度を意図している。

産経新聞 <独自>川口クルド100人超、資材置き場で大音量騒ぎ警察出動「日本人の理解足りない」 「移民」と日本人 2024/8/18 15:00

 典型的な「日本人の理解が足りない」フレーズの効力は色褪せ、低下しつつあるかと思われる。

埼玉県川口市に在留するトルコの少数民族クルド人らが働く解体工事の資材置き場をめぐり、近隣住民などからの苦情や要望が過去2年間で70件超にのぼることが、市のまとめでわかった

 2年で70件を超える。とすると月当たり3件程度か。それはきっと「耐えがたい」を示唆することだろう。

市は迷惑行為を含めて規制する新条例の制定も視野に検討を始めた

埼玉県によると、川口市内の解体工事業者は251社で、過去1年間で1・2倍に増加。このうち約6割は代表者が中東系の名前で、大半はクルド人とみられる。また、市によると市内約800カ所の資材置き場のうち市東北部の地区の約40ヘクタールに約80カ所が集中している

 …まあその、解体業は、そりゃあまあ粉塵は出るわうるさいわで迷惑施設になりがちと思しく、そうした業種が一か所に集中しがちなのも、まあ…だが。

音楽を流す迷惑行為があったのは今年4月末。この地区にある資材置き場にクルド人100人以上が集まり、20台以上の車両が路上駐車。大型連休の午後に大音量で中東系の音楽を流すなどの迷惑行為が続き、住民が警察へ通報した。音は約1キロ離れた場所でも聞こえ、警察が帰った後も夕方まで聞こえたという

 とまあ。我慢の限度を超えたと。

路上駐車については「買い物やトイレにいく車が必要だから、動かせない。邪魔じゃないからいいだろう」と移動を拒んだ

日本語を話すリーダー格の男性は「大金をかけて音響施設を用意したので、音は絶対に下げない。音で取り締まりをしてみろ」と言い放ち、こう続けたという

 ということで、結構な規模の集会をするに際して、「大金」を用意する予算があるにもかかわらず移動式トイレの手配はしたくない―という身勝手な主張と理解されよう。また騒音で取り締まる可能性は否定はできまい。

市開発審査課によると、集計を始めた令和4年4月から先月末までの2年4カ月の間に、同課に寄せられた苦情や要望は、騒音や振動被害21件、野焼き13件、粉じん被害6件、交通関連5件などで計72件。この地区からの苦情も多いという

 野焼きが2月に1度ペース。産廃の不適切処理と絡んでえらいことになりそうではある。
 …それを前提に安く事業を展開しているであろうことも想像の内にありえる。

 ともに生きる市民としてともに生活環境を作り上げてゆく主体として相互に認め合えるかどうか。産経さんのかきぶりでは、一部クルド人にはこうした相互性を欠いている向きがあると読み取れる。これは相互の義務であり一方が一方へ要求するだけで・妥協を拒否する場合、主体として認識されなくなってしまうのだ。

 …一方からの要求のみあり、妥協が拒否される場面として「落第学生に対して対応を拒否する教員」という例題を出すことができる。対応を拒否するのはしかし、合理的な根拠がある場合、適切な対応としか言いようがなかったりする―成績報告後である・個人的な対応をするのは不適切である・単位認定会議は終わってしまった・そもそも出席が足りてない…。

 ではこのクルド人問題に帰ってみた場合、日本人側の歩み寄り・「理解」不足、ひいては妥協の必然性はどこまで認められようか。…宗教行事で年一回で、爆音を鳴らすのは悪霊を追い払う意味があり、儀礼をする聖域では排泄は許されない―くらいなら、理解は得られようか。地域に共に住む仲間ということで、その祭礼に周囲の日本人たちを招待するくらいは追加されるべきだろうか。

 まあ、そんな例題としてみようと思う。当事者はたまったもんじゃないかもしれないが、他地域の例として学ぶのは悪とは言えまい。
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