空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

アル・シャバブについてのBBC記事

2008-03-30 22:56:16 | ソマリア関連
 …があったのでここにメモ:Profile: Somalia's Islamic 'lads' By Mary Harper 21 March 2008, 11:27 GMT

 そんなに長文でもないので興味おありの方は向うで読んでください。
 要約すれば:アルシャバブはソマリ語で「青年たち」ほどを意味する,本来イスラム法廷の青年部であった。エチオピアの進攻によってUICが没落し,UIC指導部はエリトリアに去り,青年部は解け去ったかのようであったが,いまやキープレイヤーとしてたち現れてきている。

 USAはアルシャバブを国際テロ組織のリストにいれるが,しかしそれはアルシャバブに外国戦士の目をひきつける役割を持つ恐れがある。アルシャバブ広報担当は,テロ組織指名を名誉な事と声明し,一方,繰り返し自派とアルカイダの関係を否定する。
 指導者とされるAden Hashi Ayroはアフガニスタンのアルカイダによって訓練を受け,イェメンやパキスタン,ほかアフリカ諸国から兵員を募っているといわれる。

 いまやアルシャバブはエリトリア派と一線を画する。彼らはエリトリア派を世俗的として批判する。アルシャバブは最近,戦略的意義ある都市を攻撃,政府派の人員を殺害,武器弾薬・武装トラック等を略奪し成果を上げている。政府軍兵士を捕縛,その頸を刎ねもした。

 …アメリカのやることってなんかやぶ蛇と違いますのー?という疑問を呈しつつあるそんな記事。下手な手出しをすると,ソマリアでの反政府抵抗活動に国際的意味が増えちゃうってことですね。下手を打つと,ソマリアにおける反米活動を米国自身が誘発・増長することになりかねない。

 いえまあ。ほんとに関係は持っているんでしょうけどね。当初に比べ,アルシャバブの活動は極めてスマートになりました。戦術指導の教官や,戦闘力のてこ入れ・コルセット役の戦闘のプロの協力とか,ありえそうではあります。

 それでも,ソマリアでの抵抗活動は,原則目の前にはっきり見えてるエチオピアに対して行われているはずでして。ええ。例えばこんなことがしばしば起こるわけですが:

BBC Fatal shelling at Somali market 29 March 2008

 自然な反応としては,進駐軍デテケ!っとなるはずで。これを『帝国主義エチオピアの背後にあるアメリカ帝国主義ハンタイ!』ともってまわった抵抗理論に育てるのは,現地的には大変なんじゃないかなー。

 さてこの件が地域紛争レベルに収まるか,それとも堂々たるアメリカによる対テロ戦争の第三戦線となるか―どうなるでしょうね? 少なくともアメリカは,ソマリアに本格介入するには,兵員と予算とに余裕を欠いているようですが。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 米軍無人偵察機,ソマリアで墜落 | トップ | ソマリア問題:ロンドンでの... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ソマリア関連」カテゴリの最新記事