北朝鮮：食糧不足で緊急援助を要する一方、韓国からは糖尿病の治療・医療機器支援が

　朝鮮日報が、北朝鮮の食糧危機について報じる：

朝鮮日報 北朝鮮外務省文書「緊急の食料輸入が必要」 2019/04/19 09:28

「北朝鮮外務省が「食糧不足問題を解決するための緊急対策を今月中に取りまとめなければならない」との判断を示した文書が公表された。米政府系放送局のラジオ自由アジア（RFA）が18日に報じた」

「「NKニュース」が入手したとされるこの文書によると、北朝鮮における昨年の穀物生産量は前年に比べておよそ10%のマイナスを記録したという」

「韓国の情報機関・国家情報院は先月29日の国会情報委員会で「金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長は国際機関に向けて北朝鮮の食糧事情を訴えるよう指示した」と報告した。北朝鮮は先月20日、キム・ソン国連駐在大使名義の書簡を複数の国際機関に送付し、北朝鮮への食糧支援を訴えている」

　いつもどおりの危機であるといえばそのとおり。
　危機の具合を、ここx年で最悪とかなんとか書くのも、なんというかボジョレー・ヌーボーの煽り文句じみていると評価するのもアリかとも。

朝鮮日報 北朝鮮の食糧生産ここ１０年で最低　「緊急支援必要」＝国連 2019/05/03 20:01

　この3日の発表によるそうだが「国連食糧農業機関（ＦＡＯ）と国連世界食糧計画（ＷＦＰ）が発表した北朝鮮の食糧状況に関する評価報告書によると、今年（２０１８年１１月～１９年１０月）の北朝鮮の食糧需要を満たすためには１３６万トンの穀物を輸入する必要があるという」

「北朝鮮の食糧配給量は２０１８年には１人当たり１日３８０グラムだったが、１９年は３００グラムに減り、一般的に配給量が減る７～９月にはさらに減少する可能性がある」

「北朝鮮の食糧不足は干ばつと高温、洪水に加え、国際社会の制裁によって燃料や肥料、機械の部品などが不足したことが原因で、今年の穀物生産量の見通しも懸念される水準」

　石油が入ってこないというのは、そもそものエネルギーが足りてないということで、そりゃ肥料も足りなくなる。自前でハーバー・ボッシュ法やってるかどうかもしらないが、どっちみちその必要はあるだろう。機械も動かないので農地の利用についても効率がわるい。

　なんにせよ、制裁解除を目指すのは、ボトルネックを一挙に片づけるために必要な方向のはずなのだ。
　ともあれ一方

聯合ニュース 韓国の糖尿病専門医ら訪朝　治療薬・医療機器など支援 韓国の糖尿病専門医ら訪朝　治療薬・医療機器など支援

「国際糖尿病連合（ＩＤＦ）会長をはじめとする韓国の糖尿病専門医ら５人が３日、北朝鮮で開かれる糖尿病関連の学術行事に出席し、治療薬や医療機器を伝達するため韓国を出発した」

「ＩＤＦの趙南翰（チョ・ナムハン）会長は、聯合ニュースの取材に対し「血糖測定器など一部の医療機器を持ちこみ、インシュリンなど糖尿治療薬は別途北に送ることになった」と明らかにした。

　医療機器と医薬品の提供は人道支援となるため、国際社会による対北朝鮮制裁には抵触しない」

　まあその、糖尿病については、遺伝病の側面もあるようであり、その治療のための医療支援があってしかるべきだという理屈も分かるのだが―こうまで食糧不足な国で、悠長なことだなあという気もせんでもない。

　いやこれ、事実上、黒電話閣下のためのものだよなとか思いたくもなるが―おおむね若年者であろう遺伝タイプの患者だって、党の役員さんの子息に限られるよなとか思いたくもなるが―。