goo blog サービス終了のお知らせ 

空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

おおきな夢とともに―ダウド・ハッサン・アリ

2008-04-16 21:11:58 | ソマリア関係人名録
 ダウド・ハッサン・アリ(Daud Hassan Ali)はソマリ族の教育者。先の日曜,イスラム主義者がソマリア中部ヒランの町を制圧した際,殺害された。64歳だった(BBCによる)。

BBC Somalia victim was head teacher 15 April 2008

 ベレトウェインで,彼と他3名の死体は発見された。彼はその学校の校長であった。彼は「全くもって注目に値する男」であり,「大きな夢を抱いていた」のであった。「不可能だって思えることはあったけど。でも彼はいつだって成し遂げてきてたんだ」。援助団体の者は語る。

 彼の仕事は極めて驚くべきことだったとひとはいう。
 彼の夢は大なるものだったとひとはいう。
 驚くべき事に,この国に図書館と学校を建てることだったという―祖国に報いるために。学校は若者に教育を提供し,図書館は長老たちの集会場となるものだ。

 けれど彼は死体となって回収された。Hakab私立英語学校は,校長と教師を失った。彼を殺した組織は「アル・シャバブ」と自称する―それは「青年党」ほどを意味するものだ。

 若者を教え導こうとした彼は,寧ろ若者によって死へと導かれた。何が若者にそうさせたのかは解らない。或いは英語教師は反イスラムだと彼らが思ったからなのかもしれない。

 何れにせよ既に彼は亡く,彼を殺めた者たちは「青年」のうねりの中に溶け込んだ。彼の夢は思いがけず停止を余儀なくされた。そして彼の名が世界を駆けた。

 決して彼は望まなかったろうものを。彼は世界中でその名が幾億回と繰り返されるより,ただ一人の若いソマリが世界を飛ぶことを望んだろうに。けれどその日ソマリは,世界への扉の一つを我が手でもって閉じたのだ―夢多き老人の命に終止符を打ちつつ。

 地の果ての国の哀れな土地の哀れな学校の校長として,ただ地の塩となって解けさるだけのはずだった者が,今や極東国の一民間人の哀れむところと成り果てた。なんと哀れな事だろう。

Garowe Online Somalia victim was a head teacher Apr 15, 2008

 まあアル・シャバブの報道担当,アブー・マンスールは,意図して殺したわけじゃないと言ってるようですけど(Garowe Online Somalia: al Shabaab responsible for slaying 4 teachers Apr 14, 2008 )普通そう言いますわね。指導部の方針で殺したわけじゃなくとも,占領地民間人を末端兵士がてきとーに殺してしまうというのはそもそも問題ですけど。
 あとモガディシュで「ソマリシリングと外貨の交換率を良くしないとひどいことになるよー」という脅しのチラシが回った由。無論アル・シャバブとしては距離を置く方針―ですけど,こうしたソマリシリングの暴落を,エチオピアがその通貨でもってソマリア経済を我が物にする意図を持つのだーなどという主張と絡めるようなのはマイナス点。

 陰謀論は無能の楽園。

 というか,ソマリシリングの信用大暴落には君たちも与って力があるだろうと。それは君たちが攻撃する政府が信用されてこそ価値が保証されるものであって,何処の誰が反乱勢力の攻撃で青息吐息の政府の紙幣を信用するのかと。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« teiresiasさんがみてる~深夜... | トップ | teiresiasさんがみてる~深夜... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ソマリア関係人名録」カテゴリの最新記事