神戸大・院入試成績データの盗み出しの件

神戸新聞　神戸大大学院で入試成績表流出　学生が持ち出し　2011/09/02 11:56（本田純一）

「神戸大によると流出したのは２００９、１０年にあった同研究科応用化学専攻の入試成績。０９年分には受験生８３人の名前と受験番号、各科目の成績、順位が記されていた。同年９月、教員が研究室の机上に置いた成績表を当時同大４年だった学生がコピーし、友人ら約２０人が閲覧したという。１０年分は受験した１０６人全員の受験番号と成績。同年１１月、学生６人が、事務室の保管庫から成績表を持ち出してコピー。受験番号から一部の名前を割り出し、数人が回し見たという」

　…「研究室」が教員個人の研究室なら学生が悪い。共同研究室（私のところでは「おおべや」と呼称したが）なら明かに教員の心がけが悪い。
　事務室の保管庫から持ち出してとなったら，もはや不法侵入だ，どうしても学生が悪い。

　…そりゃあなあ。奨学金の取得には，入試の点数が反映するというのはどこでもまあ，そんな運用をするだろうが，そゆのは，先生がこっそり仄めかしてくれるなどするものなんじゃないのかなー…。私のところでは「こいつは試験の点数だけはいいんだよ！」とか言ってたりしたが（いや私のことだが）。

　例によって”情報管理体制の再検討を”みたいな言葉で〆られるわけだが，どうだろう，それは『一部学生から情報を盗まれる恐れがある，しかも事務室の保管庫からさえ』と心構えして仕事する，ということなわけで…。
　…それって，人間的信頼関係の点で如何かと思う。

　まあいいや。今回の場合，教員は悪くない。事務も（基本）悪くない。悪いのは，『…先生…！　こんなヤバげなもの，学生の目に触れそうな所に置かないでください…！』と中身を見ずに先生に返却しなかった学生だ。

　…見ても，基本，無駄に情報を拡散したりしないものなんだけどな。ましてやコピーするなんてな。

読売新聞　神大大学院の入試成績流出、学生らがコピー　2011年9月2日15時54分

「０９年分は受験生８３人の氏名、受験番号、成績、順位などで、同年９月に作成した准教授（当時）が印刷ミスをした成績表を、准教授の部屋で見つけた学生がコピーして友人らと見ていた。１０年分は１０６人分の受験番号と成績で、同年１１月、学生が事務室の保管庫から持ち出してコピーし、学生間で共有。保管庫には鍵がかかっていたが、その鍵を入れた事務室のキャビネットの引き出しには鍵はかかっていなかった」

　そんなわけで読売に従えば，先生のお部屋に（恐らくはお留守の時に―下の読売によれば「別室に移動」した際に）入り込んだ学生がさくっと情報を盗んだわけ。さらには次年度は上を行き，鍵のかかった保管庫の鍵のありかを知った上でそのカギを盗みだし，情報をぬすんだ―しかも，自分や友達やの分だけでなく（だって自分の受験番号ならわかるんだから。そこの欄を見るだけでいいんだ）まるごと全部。

時事ドットコム　大学院の入試成績漏えい＝学生の処分検討－神戸大　2011/09/02-13:19

「神戸大大学院の入学試験の成績表が学生の間で出回っていたとして、神戸大は２日、調査を始めたことを明らかにした」…「調べたところ、１０、１１年度の入試の成績表のコピーなどが学生約３０人の間で流通していた」…「これまでの調査では、０９年９月、教務担当准教授（当時）が１０年度の受験者８３人分の成績表を研究室の机上に残したまま別室に移動。居合わせた工学部の別の学生がコピーした」

　当然処分されるべき。
　しかしまあ，30人にも出回っていたとは。誰か通報しなかったのか。なんという倫理感の水準だろう。つうかンな緩い連中，会社さんは拾いたがらないだろうに。