フランス：Adama Traoré、4年前のGeorge Floyd

　フランスでもGeorge Floydに関連する黒人差別反対行動が行われる。なお10人以上の集会は禁止という、コロナウィルス対策の指導があるものの、警察による集会禁止命令を無視して行われたものという。

BBC Adama Traoré: French anti-racism protests defy police ban 2 Jun 2020

　Adama Traoréは2016年に死亡した黒人男性。警察に取り押さえられた際に体重をかけられすぎたためか、警察に拘束中に死亡した。2016年にも同様の抗議があったものの、今回、全く同様の事件が起きたということで再燃したわけだ。

「Calls for justice for Adama Traoré, who died after being detained in 2016, have re-ignited in France

Thousands of people have joined protests in France over the 2016 death of a black man in police custody, defying police orders not to assemble due to coronavirus restrictions.」

「About 20,000 people defied the order on mass gatherings to join the protest. Initially peaceful, the march turned violent, with stones thrown at police and tear gas fired back.」

　2万人規模で抗議行動。うんまあ、コロナウィルスを口実とした人種差別反対行動抑圧など何するものぞ！という気概は理解するが、気概は過ぎれば蛮勇、さらにはそれ以上の何物かともなろう。

「On Tuesday campaigners defied authorities, after their request for permission to protest was denied by police.

Public gatherings are limited to 10 people to control the spread of coronavirus.」

　…個人的には「思いがすべてを変えるなら」という歌詞に感動する性質なのだが。
　ここ20年ほどの社会運動は、一部は迷走していると私は感じる。それはひとの思いこそが世界を律する最高の法だという朧げな信仰で、黒人差別反対・Adama Traoréの死に怒りを！という叫びに同調しない不正義者には鉄槌を、同調する正義の戦士の行動は何ものによっても抑止されてはならない、そうだ、新型コロナウィルスとやらなどによって抑止されていいはずがない！という―そんなような朧げな信仰。

　…まあその、死にやすい危険群は相当程度一掃されたわけですから、これから流行してもそうまでは死なないのと違いますかね、とか投げやりなセリフも出ようというもので…。
　…再流行待ったなしじゃないかな。